物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

なぜ数学と物理を学ぶか

2008-03-26 13:56:32 | 学問

若い学生ならこれらを学ぶのは当然と言えるかもしれない。

だが私はすでに人生の大部分をすぎている。ではなぜこれらの学問を学ぶのだろうか。これに対する明確な答えは私にはない。

キリスト教を信仰している人たちは神々のつくり賜った自然の神秘を真摯に理解したいと終生、学問に励む人が多いと聞いている。

しかし、私はクリスチャンではない。神を素朴に信仰するというような信念はもっていない。

ではなぜこれらの学問を学ぶことを止めないのだろう。それは自分の知らないこと、わからないことを知りたいと一途に思うからである。

これは若い人だったら、ひょっとしてあるかもしれない立身出世や名誉といった願望のためではない。単に自分の自己満足のためである。

亡くなった池田峰夫先生(京都大学元教授)が「少なくとも学問を学ぶのに自己満足くらいは残らないとね」と言われていたことを思い出す。

私は池田先生の狭い意味の門下生とは言えないが,そういったことを聞く機会が何回かあった。だから池田先生の薫陶を受けた一人とは言えるかもしれない。

また、池田先生からは大学で指導を受けた自分の先生からのはやめの独立の必要性を教わった。

人間というのはある意味で業の深いものである。年をとって日々をおもしろおかしく暮らすのも人生ならば、いつまでも尽きぬ旅路を行くといった人生もある。

定年を過ぎて学問など捨てたという友がいる一方で、それに執着する自分がいる。若いときの学び方が足らなかったせいだろうか。


5分で楽しむ数学

2008-03-26 12:35:54 | 数学

「5分で楽しむ数学50話」(岩波)を購入した。

ちらっと流し読みしたのだが、本になった段階で書き足されたのかもしれないが、これは一つの話を5分で楽しむことなどできる本ではない。

読むのに5分なんてものではなくて時間がかかるだろう。それでも面白い本であることにはちがいがなさそうだが、誇大広告であろう。

もちろん本は売れなくてはならない。それがいけないとまでは思わないが、少なくとも読むのに時間がかかることを承知の上で本を買う方がいい。

数学者は数の性質に関心があるのだろう。素数の分布がどうのとかいうようなことがかなりたくさん載っている。私はそういうことにはあまり関心がない。

でもいくつかのことは私の数学エッセイと共通の話題もある。自然対数の底eの話題は私もすでに「研究と実践」(愛数協の機関誌)に投稿済みだ。これはもともと遠山さんの「数学入門」に出ていた話題を京都大学の北野先生からもらった「自然現象と数学」に誘発されて書いたものだった。

ただこの標題の書からはeの導入の仕方についてはもう一つのやり方を学んだ。