長男が忙しいようだが、私も忙しい。これは数学エッセイもあったが,昨日はe-taxで確定申告をしようとしたからである。昨日一日中やって結局申告できなかった。これは書類は簡単にできるのだが、どうしたものか送れないのである。
それに至るまでも私にしてみたら大変な努力である。多くの書類を読んで、IC card reader-writerをインストールし、等々いい加減で放り出したくなる。コンピュータは面倒である。蹴飛ばしてしまいたくなった。
長男が忙しいようだが、私も忙しい。これは数学エッセイもあったが,昨日はe-taxで確定申告をしようとしたからである。昨日一日中やって結局申告できなかった。これは書類は簡単にできるのだが、どうしたものか送れないのである。
それに至るまでも私にしてみたら大変な努力である。多くの書類を読んで、IC card reader-writerをインストールし、等々いい加減で放り出したくなる。コンピュータは面倒である。蹴飛ばしてしまいたくなった。
私がなぜ数学エッセイを書くのか。これをこの機会に記しておきたい。これは「私が数学ができないからである」というのが根本の理由であるが、それだけではない。
昨日(3月1日)の朝日新聞にインドのIT産業が隆盛なことが出ていた。しかし翻って日本を考えると理工系教育の現状はわびしい。
日本でも私の教えていた工学部では年々入学生の数学の力が落ちていた。それは一つには学生個人、個人の意欲の問題もあるが、もう一つは教師とか教科書とか参考書の問題もある。
一つの例として、「三角関数の半角の公式をどう覚えるか」といった細かなことで、これを余弦の倍角の公式と正弦の2乗と余弦の2乗との和が1となる公式(ピタゴラスの定理を表した式)を足し引きして導く。これが一番簡単だと思う。しかし、そういうことを書いている本は見かけない(注)。
この方法を私はある参考書から高校生の頃に学んだのだが,こういった細かなことの積み上げで数学を覚えやすく使いやすいように習得する必要が絶対にある。これが私の信念である。
ところが現行の教育は学習内容の記憶を強制したりしている。特に悪い教師はなんでも記憶を強要する。
私の体験だが、高校のときに数学の教師に余角の公式や補角の公式を覚えることを強制されたが、これがまったく覚えられなかった。その後、これらは丸暗記する必要はなく、図を書いて導くものだと参考書を読んで知ったときにはびっくりした。
というのはこれらの余角の公式や補角の公式はよく似ていてそれも前に負号ついたり、つかなかったりするのが複雑なのだ。しかし、これを図を書いて導き出す方法を知るとなんと簡単なことか。
私を教えた先生はそういうことも知らなかったのだと思う。記憶力が抜群にその先生はよかったのかもしれない。それにしてもその教え方はまったくひどかった。
反面教師としてのその先生に反発を感じて今の私がある。そういう意味ではその先生に感謝をすべきかもしれない。
とにかく、私はなんとか数学とか物理とかに関心を持ち続けることができたが、大多数の生徒や学生はそういう先生に出会えばほとんど落ちこぼれてしまう。また、現実に私の同級生多くは落ちこぼれたと思う。
そういうことでは世界の各国の科学者や技術者とは第一線で互角には闘えない。無理なのだ。そのための学習内容はしたがって十分に注意して用意されなければならない。その準備としていろいろな数学エッセイを書いているのだ。
基本的にはとりあげている内容はもちろん自分の関心に溺れているだろう。しかし、志はしっかりともっているつもりだ。
もっとも新しい科学なり、技術なりを起こし、開発、発展させるためには数学や物理学等の知識だけではすまない。深い洞察力と見通し、強い好奇心、執拗な執念、失敗にめげない心やチャレンジングな精神がいる。それらを教えることは教育ではできない。それはある意味でその人のもって生まれた才能や能力、性質である。
学問的な知識は確かに究極的には大したことではないかもしれないが、それを初歩的な段階でつまずかせないことが多くの人間を育てるためには大切だ。「深い理解と見通し」、これをできるだけ多くの人たちに示せるようになりたい。
(注)どういうことかとちょっと数式で書く。
1=cos ^{2}x+sin ^{2}x
cos 2x=cos ^{2}x-sin ^{2}x
これらの式を辺々たせば、
1+cos 2x=2cos ^{2}x
辺々引き算をすれば、
1-cos 2x=2sin ^{2}x
である。この導き方はよく調べれば、いくつかの書にはある。
具体的に挙げておくと、私が知っている書では、
秋山武太郎『わかる三角法』(日新出版)
藤森良夫『解析の基礎』続編(考え方社)
ラング『解析入門』(岩波書店)
の3書である。一番普通に見ることができる書は『わかる三角法』であろう。私が知ったのは藤森良夫『解析の基礎』続編によってである。