半減期と聞いたら、物理を学んだ人なら放射性元素の半減期を思い浮かばれるにちがいない。ここでいう半減期はその意味ではない。いま全世界で炭酸ガスの放出量をいつまでに半減するかということが問題になっている。その半減までの日程のことをここでは茶化して半減期ということにする。
これまでの年数はどうも2020年らしい。いまが2009年だからもう11年しかない。ところが昨日も書いたと思うが、日本の企業はどこもあまり真剣に取り組む気がないらしい。
車の排ガス規制がきつくてどうも企業はそれに大反対であったが、いずれの会社もその期限前にクリアして車の燃費が格段に改善されてということはもう数十年になるが、まだ私たちの記憶に新しい。
いつも人間というものは困らないと技術革新に至らないのだ。だから、社会的にきつい規制が課せられるということは技術革新の契機となりうるのだ。すくなくともそういう風にとるべきであって、その規制をなしくずしになきものとしようという考えはよくない。難しくて達成が困難にしてもそれをなんとか達成するように努力すべきものである。
景気刺激策として高速自動車道の料金を安くするというのはやはりおかしいと思う。もちろんこれは安くするか、無料にすべきものだが、それよりも鉄道をもっと利用しやすいようにすべきものである。少なくとも炭酸ガスの放出量削減の観点からはそういえる。
このことは以前に国鉄民営化が唱えられたときにエネルギーの観点からは言われたのだが、これは政治的に国鉄民営化は行われた。
もちろん、国鉄は利益を挙げることにはあまり熱心ではなく、赤字が累積していたわけだが、これは国鉄の責任ばかりではない。政治家の要望でヘンなところに駅ができたり、路線ができたりして赤字の累積を加速させた。こういったことを考慮しないで政治的に組合をつぶすということのほうに重点があった。