学習会でいいことをならった。分数の取り扱いについてである。
分数を導入するには等分割の操作で導入する。量分数とか割合分数とかいうことが言われたけれどもこれらは分数の導入にはどうも都合が悪いという。
また、分数の足し算(引き算)はできるだけしないで、小数の足し算でおきかえる。だが、分数の掛け算(割り算)は分数の方が小数の割り算、掛け算よりもはるかに簡単である。
掛け算と割り算の混合演算では左側の演算ほど優先されるとは生徒は「計算の規則」としては知っているのだろうが、割り算が掛け算よりも難しいために掛け算を優先する生徒が多いという。
分数係数があれば、できるだけ整数係数に直す。具体的には方程式の場合には適当な数をかけて整数係数に変換する。分数の場合には分子分母に同じ数をかけて(倍分するという)分数係数を整数係数に直せばよい。
これは分数の取り扱いではないが、割り算と掛け算の混合演算では割り算はその逆数の掛け算に直す。こうして演算の種類を加算と乗算の2種類にする。こうして割り算と掛け算の混合演算を掛け算だけの演算に直す。
というのは割り算が左にでており、その右に掛け算がある混合演算では掛け算を先にする生徒が多いからだという。
量分数と割合分数という論争が昔あり、割合分数が理解が難しいということから量分数が提唱されたが、その導入はうまくいかなったという。
これは遠山啓氏とか銀林氏の提唱でもあったらしいが、やはりうまく行かないので分割の操作で分数を導入するということに落ちついたらしい。
これは事実に基づいて議論をするということが数学教育協議会では最終的に徹底していて、いくら遠山さんや銀林さんのような偉い先生のいうことでも実践的に難しいことはダメだということが普通に行われているからであろう。
しかし、こういう実践に基づいてなんでもものごとを判断するという考えを遠山さんや銀林さんが否定していることではないので、彼らの不名誉にはならない。