なんでも創造的に仕事をすることは難しい。アイディア豊富で楽々と仕事を進めているように見える人も人知れず苦労をしているに違いない。なんでも新しい視点を見つけてここは新しいことだよと主張するのが研究者のすることである。
これは教育でも同じことが言えるのだが、教育では誰でも知っているはずのことを教えるので新しい視点を学生や生徒に提供するのは難しい。だが、それでも何かの新しい発見がなければ、授業も面白くはないと思う。
しかし、行き過ぎる場合もある。新しい視点を授業で提供しているのにそれにひっかかってしまうことがあるのだろう。いまの話題は対数についてである。
月曜日にも対数について話をしたのだが、わからないという感想があった。どういう風に分からないかを書けと常々いっているのだが、そういう風な分析はまったくないので、どこをどう補足したらいいのか見当もつかないのである。
対数と指数とは同じものだといえばいいのだろうか。対数よりは指数が分かっているかどうかを聞いてみようか。
月曜日にさらに新しくエントロピーという概念を授業で定義をしたのだが、案の定、分からないという反応があった。
それは「場合の数」の対数で定義をしたのだが、その意味を話してはいない。このエントロピーの意味は統計力学的な定義はそれほどは分かりにくくはないが、それでも分かりやすいとはいえない。
特に熱力学で出てくるエントロピーは本当に分かり難い。私自身も熱力学的な意味でのエントロピーを理解しているとは言えない。