病気ではないと思うが、いつもほとんど同じ内容の夢を見る。これは自分の無意識の内に潜んでいるコンプレックスが現れているのであろう。
普通にはコンプレックスというとインフェリオリティ・コンプレックス(劣等感)のことをいうが、本当はコンプレックスはもっと広い意味らしい。これは河合ハヤオ氏が有名になる前に書いた岩波新書で読んだ。この新書の題は忘れたが、「コンプレックス」だったと思う。
人間の意識の部分は氷山の一角に過ぎなくて本当は無意識のコンプレックスを解きほぐさなくてはならない。精神的な病気になる人とかはこの感情のコンプレックスの矛盾を抱えていてそれを解きほぐしていけば、病気は自然に治ってくるという。
カウンセラーにかかっていても、結局はカウンセラーにいろいろ話しているうちに自分で自分の抱えている問題に気がついて、どうしたらいいかとわかれば、その解決法も自分で悟るようになるのだという。
だから、カウンセラーとは人を何かどこかへ導く人だという理解が一般的かと思うが、そうではない。むしろ根気よくその人のいうことをひたすら聞くことに徹するという。だから、カウンセラー自身にその人の話を聞くことでいろいろな影響が起こることも当然であろう。
そういう心理的な葛藤をカウンセラーはどう処理するのかは知らないが、かなり意識的な訓練を受けないとカウンセラーにはなれないであろう。
人間というものはいろいろ複雑な側面をもっているもので、いわゆる成功をした人でもいろいろなコンプレックスを抱えていることが多い。コンプレックスを抱えることがいけないのではなくて、そのコンプレックスのためにいい仕事をする人もいる。夏目漱石などが有名な例だと聞いている。
私もなんだか大きなコンプレックス(インフェリオリティ・コンプレックス?)を抱えているらしい。なにが私の夢の原因かわからないが、ちょっとユング派の精神分析医にかかってみたい気もする。