今年もかなりの数の「喪中につき年賀状をご遠慮申し上げます」との通知を頂いている。以前はご両親が亡くなったとの通知が多かったが、最近はご兄弟姉妹が亡くなったので、ご遠慮申し上げますとの通知が多い。
それと私が存じ上げていたご本人の亡くなったとの通知がお子様や夫人から頂くこともままあるようになった。昨日も私の懇意にさせて頂いた先生の訃報をお子様から頂いた。
このS先生は東京工大の卒業生である。情報通の方から聞いたところでは東京外国語大学にも合格をされた、外国語にも堪能な方だったという。
その後、アメリカで大学院の教育を受けて、その後の期間を含めて8年の長さにわたってアメリカに滞在されたと聞いている。だから、Sさんは日本語で文章を書くよりも英語で書くほうが楽だと言われていた。
文章を綿密に検討される方で、さすがにその点では隙がなかった。私自身もある論文の英語をみてもらったことがあった。
そのときに「完全に」という語を訳がよくないなと思いながら、totallyと書いたら、しばらく考えてentirelyと直してくれた。そのときはじめてentirelyという語の使い方がようやくわかった気がした。
英語の文章を書くときにはやはり自分で知っている語彙でなんとかしようとするのだが、それでもなんだかしっくり来ないなと思うことがある。
これは別の例だが、ある論文の英語で「実際に」と英語で表したいときがあったが、それに対応した語を思いつかなかった。しかたなく、reallyと書いたが、なんだか違うなと思っていたら、これは私の先生のYさんがactuallyと直してくれた。このときようやくactuallyとかactualとかいう語を覚えた。
いつのまにか主題が大きく外れてしまった。こういった思い出がこのS先生との間にはあった。ご本人が覚えておられただろうか。