高価である。例えばの話しだが、いま図書館で借りている『ヴィジュアル複素解析』(培風館)は出版時の定価が5500円だったが、古本としては1万円を超える値段がついている。
私がときどき参照したくなる、Felix Keinの書『高い立場から見た初等数学』(東京図書)など4冊本ではあるが、訳書では合計で2万円~4万円くらいしている。もっとも英語版だとDover版で1000円ちょっとだったと思う。それが2冊出版されていて、最後の3冊目は発行の予定がないとかインターネットで見たことがある。
チャンドラ・セカールの、ニュートンの『プリンキピア』を現代的な観点から見直した本など値段も古本として調べたことはないが、発行時の定価だってその訳本は1万円を越していたと思う。
広重徹さんの『物理学史』(培風館)なども結構な値段が、古本としても、しているので、なかなか購入できない。そういう本は他にもあることだろうが、いま思いつくのはそんなところである。
もっともそれに反するような本もあるのはある。だが、安いと内容が詰まらないと決めてかかる人も多いかもしれな。
山本直樹さんの『複素関数論の基礎』(裳華房)はまだ手に入れてはいないが、そんなに高価ではない。これは大学の複素解析のテクストとして発売されているからだろうか。