という識者の意見が今日朝日新聞に載っていた。
経済同友会の代表幹事の小林喜光(よしみつ)さんはいっている。「半導体、太陽電池、光ディスク、リチウムイオンバッテリーなどはもう日本は中国、韓国、台湾の後塵を拝している。日本を引っ張る技術がもうない」
「経済、技術を通した地経学的な見地が死活的に重要です。現在は歴史的な革命期にあると皆が認識すべきです。5GもAIもサイバーセキュリティも、日本は本当に遅れてしまい、基幹的な技術を欧米や中国から手に入れなければ産業、社会が立ち行かなくなる。外国政府や企業の意向を無視しては国家全体が成り立たなくなる。リーディングインダストリー(成長を引っ張る産業)を自国の技術で育てることができず、他国の2次下請け、3次下請けとして食つなぐ国になってしまう」
「GDPを増やそうとして逆に国内の総負債を増やしたんです。6年間で約60兆円のGDPが増えたといいますが、国と地方の借金は175兆円も拡大しました。これで次の世代に引き継いでいけるでしょうか。一方で5Gや半導体。量子コンピューターなど、次世代が利用する技術の研究開発費は欧米や中国に出遅れている」という。
小林さんのいうことには出てこないが、東芝が原子力産業に固執したための、経営の失態はとくに記憶されておくべきだろう。これは東芝云々の問題ではなくて、後世の参考のためにである。
もっとも一日本人である、私のできることは何か。これは私は技術者ではないので、やれることは限られているからである。
それにしても、小林喜光さんのようにはっきりものをいう人が出てきたことはそれでも一縷の望みがまだ日本にあることを示している。