ちょっと手前みそな話なので、もしそういう話が気に入らない方はこのコラムの読むのを止めてもらいたい。
私のいままでに書いた本は3冊である。
第1は『数学散歩』(国土社)(品切れ中)であり、これは定価2,500円+税である。
第2は第1の抄刷版である、『物理数学散歩』(国土社)である。これは定価1,200円+税である。ページ数も111ページと薄いが、定価も安い。だが、貴重な内容の書であると実は私自身は思っている。ところがこれが全く売れない。売れた冊数は200冊に満たないのではないかと思われる。
第3は『四元数の発見』(海鳴社)である。これも定価は2000円+税であるから、安価である。実は四元数に関係した本は日本語でもいまでは4,5冊あるが、私のほど安価な四元数の本はない。
だから、内容もつまらないかというと実は一番オリジナルな本ではないかと思っている。それでも誰からもあまり褒められたことはないのだが、球面線形補間でもたぶん日本人の読者が理解できるように書かれた最初の本ではないかと思っている。
実は球面線形補間については、DunnとParberry(松田晃一訳)『ゲーム3D数学』(オライリ・ジャパン)定価3.400円+税が比較的詳しく書いているが、これが私にはなかなか理解できなかった。
それとこれは本ではなかったが、インターネットで見た金谷一朗さんの『ベクトル・複素数・クオータニオン』がある。ところが、これの球面線形補間の説明が私には理解できなかった(注)。
それらを解きほぐして書いたのが、私の本の第10章「球面線形補間」である。これには義弟からの教えもあり、たぶんこんなにわかりやすくなれば、だれでもわかるので、これを読んで球面線形補間が難しいと思う人はもういないであろう。
たぶん、Wikipediaにも説明があると思うが、あれは、わかる人にはわかるが、わからない人にわかるようには書かれていない。
『四元数の発見』はこの4年間で1500部ほど売れたらしい。しかし、このところ売れる部数は年間に70部程度だという。それで版元にまだ500部を超えて残っているとのこと。それで完売になるとしても最低で7,8年かかる見込みだという。
この本の改訂も考えてはいるが、それは私の現在の年齢を考えると望みがなさそうである。
(注)金谷一朗さんの先駆的な、四元数の紹介の文献は一生懸命に学ぼうとした人には役立ったのだろうと思う。私の頭が単に悪かっただけであろう。
(2019.1.10付記)本の定価がもしその価値を反映しているのなら、定価がほぼ2000円の『四元数の発見』は価値があまりないことになる。
ところが実は本の定価が低くなっているのは、実は私がlatexで入力したものを印刷製本されたから、安価に本ができたためであり、本の価値がないからではない。
そこのところが読者にわかってもらえているかどうかは疑わしい。そういう評価はアマゾンでもほかの書評でも言及されることはいままでのところない。
こんなことをブログに書くのは躊躇されるのだが、すでに1度は数年前のことだったが、そのままの形でいわゆる海賊版が出ていたり、今年になって、正月明けにネットサーフィンをしていたら、私のいままでの著書や「電気電子工学科ミニマム」などもpdfの文書として無料で配布するというサイトがあったりした。
それでそれをもう一度確かめようとしてもう一度検索してみたら、検索に引っかからなくなっていた。どうも春先の初夢でも見たような感じであった。
『四元数の発見』を除いてはほかの本は品切れのような状態であるから、あまり腹もたたなかったが、少なくとも私の著書を意味あるものとして評価できる人がしたことだと思われる。