物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

世界の原発

2019-08-06 11:59:32 | 科学・技術

世界の原発がどうなっているのかよく知らない。しかし、朝日新聞のgolobe(2019.8.4)によると中国とロシアが原発をつくっており、それもロシアはインドに輸出しているとかである。

日本でも総理大臣が原発の外国輸出に一役を買うというようなことがあったらしいが、それでも日本国内の有識者からはそれは理不尽だとの感想がある。

ところがそういう批判の通らない、中国だとかロシアでは原発は電力の供給源として、いまなお有力視されているというから驚く。

これらの国も中国のような社会主義の国でもかなり市場経済化が激しいことを意味しているのであろう。現在のところ、人類全体で見れば、原発の未来はないのは残念ながら真実であろう。

放射性廃棄物の処理の先進国である、ノルウェーiイなどでも岩塩かなにかの鉱山跡に何万年も放射性廃棄物をおいて、観測し続けることの困難さは指摘されている。

高放射性廃棄物の場合には高温で焼結させてガラス状の固体として、それを鉱山跡の地下深く貯蔵すると言われている。しかし、それでもそれが地下水を汚染して、その地下水が地上近くにでて来ないとは保証できないというのが、地質学者の言い分である。それを否定することなどできない。それは将来にわたることであるのだから。

何万年たぶん2万年くらい、人類がそれまで地上に生きることができるか怪しいが、それでもそれが可能であったとしても、ちゃんと言い伝えて将来の環境を保存する努力がされるのかどうかそれは気の遠くなる話である。

福島第一原発の事故で、こちらは東京電力は企業として国の後ろ盾がなければ、もう破産していたところである。電力の供給はある種の公共事業であるから、かろうじて生き延びた。しかし、それは津波の怖れを過少評価した当時の幹部のミスであった。

企業収支は少し厳しくなるとしても、津波に備えた十分な高さの堤防をつくっておれば、東京電力のような優良の大企業がここまで追い込まれることはなかったはずだ。

いかにそのときどきの判断が目先の利益にのみ依存していたのではないかといわれても言い訳のしようがあるまい。

だが、国内のことはそう批判できても、中国やロシアのこととなるとその批判はもう私たちの届く範囲ではないような気がする。