球面三角法のわかりやすいテクストは日本語ではあまりないのだろうか。
測地観測センターの河瀬さんが4ページほどの論文を書いておられて、それにも外国語の本を参照しないといけないと書かれている(注)。それによるとTodhunter and Leathman, Spherical Trigonometry (Macmillan, 1914)が引用されている。
以前に球面三角法の英語の書物をインターネットでプリントアウトしたことがあるのを思い出して、探しに行ったら、Leathmanの名前はなかったが、やはりTodhunterの本(Macmillan, 1886)であった。
どうして球面三角法の日本語の本が少ないのであろうか。これがどうしてなのかはわからないが、球面三角法は天文学とか地図をつくる人といった特殊な人にしか用がないからであろう。
『四元数の発見』(海鳴社)を書いた時にもいつか球面三角法のテクストをまとめてみたいとは書いたのだが、その後そのことはする気が起こっていない。
この本に書いたのは球面三角法を導く方法としてそのとき考えたのは
1.発見法的に導く
2.現代的に導く
3.平面三角法を用いて導く
4.四元数を用いて導く
の4つのやりかたがあるだろうと書いている。
だが、そういう本を残念ながらみたことがない。
詳しく検討したことはないが、堀源一郎『ハミルトンと四元数』(海鳴社)には4の方法による球面三角法の導出があるのではないかと思っているが、その真偽は保証できない。
(注)河瀬和重、球面三角法の簡潔かつ体系的な理解への試み、インターネット
(付記)上に述べた河瀬さんの論文は上に述べた4つ方法の2番目に相当するのではないかと思われる。よく調べていっているわけではないけれども。
球面三角法のほうが平面三角法よりも歴史が古いと数学史の書で読んでいる。それでそれを見つけた発見法的導出法があるのではないかと思っているのだが、はたしてどうであろうか。
普通の本に書いてある方法は3の平面三角法を用いての球面三角法を導出する方法であろう。
(2019.8.21付記) 河瀬和重、球面三角法の簡潔かつ体系的な理解への試み、(インターネット)の球面三角法の正弦法則がなんだか持って回った方法であり、これは英語のwikipediaの方の正弦法則の説明が簡明でいい。
日本語の球面三角法のwikipediaはちょっと英語のwikipediaを見倣ったほうがいい。