ストークスの定理、ガウスの発散定理をまとめたいと昨日だったか書いた。
書き方がいいと信頼されるクライツイグ『線形代数とベクトル解析』(培風館)の面積分のところを読んでいて、気にかかる感じの表現を見つけた。
きちんと理由をつけて説明してほしいという気がしている。こういう細かいところを気にするのは私がわるいのだろうか。それとも。
本もたくさんあるのだから、ある本の書き方が気に食わなければ、他の本を探して納得できる記述を探せばよい。だが、それにしてもクライツイグのこの書のシリーズは世界的に定評のあるものだのに、である。いよんだ
(2022.3.2付記) あまり読んだことがない、スミルノフの『高等数学教程』のベクトル解析の項を読んでみたら、どのように書かれているだろうか。
ベクトルの外積の成分の導き方などでも『高等数学教程』ではちゃんと連立方程式で外積の成分を求めることが書かれていて、私が『数学散歩』(国土社)で書いたことなどすでに昔から知られていたことを、最近になって知った。
Gibbsの「ベクトル解析」の講義録を補充したといわれる、Wilsonの「ベクトル解析」の本にもちゃんと同じことが書かれていたと記憶する。
最近見たのでは、クライツグの『線形代数とベクトル解析』には付録の部分にこのことが書かれている。本文にではなかったが。
私自身はベクトルの外積の発見法的な導き方を原島鮮先生の『力学』(裳華房)の問題で見て知ったのだ。それでそのことを鬼の首でも取ったように書いたのだが、注意深く学ぶ人には取り立てて目新しいことではなかったらしい。
ちなみに、WilsonはPauling-Wilsonという名で知られる有名な量子力学の本の著者の一人である。そして彼の息子のWilsonはもう亡くなったが、臨界指数を求めるくりこみ群の方法で有名となったWilsonであり、彼はノーベル賞をもらった。