今回の「数学・物理通信」12巻2号で「順列・組合せ・二項定理」をとりあつかったので、e-Learningのコンテンツとして、私のつくっていないところは「三角関数」だけとなった。
もちろん、「確率・統計」ついてはまったくコンテンツをつくることを計画には入れていない。これはもともと私の手に余ることだからである。
私たちの20年以上前につくった、e-Learningのコンテンツは大学に入学はしたが、理系の学部生として落ちこぼれそうな学生を想定していた。
もっともこの想定はあまりありそうにはないものだったかもしれない。大学の理工系の学部に入学している人はすでにそういうハードルを何らかの方法でクリアーしている人がほとんどだと思われる。
でも、だいたい私が文系の志望へと落ちこぼれそうになってから、理系志望へと復活した部類だから、そういう学生に対して関心があり、そういう学生を応援したいと思っている。
ところが高校数学のe-Learningのコンテンツとしては重要な三角関数の分野が欠落していた。そのためにある出版社の方が関心をもってくださったにもかかわわらず、その出版をお断りしたことがある。
(注)三角比と三角関数に特化した書籍として、『ピタゴラスからオイラーまで』(海鳴社, 2019)がある。これを出版社から送っていただいたので、文字通りはじめから終わりまで読んだことがある。感嘆はしたが、それがそのまま三角比と三角関数について書くという、私の模範とはなる気はしなかった。
この本にはいろいろ、やさしいことから、結構高等な内容まで書かれている。本来なら、こういう書き方は私の好みではある。しかし、もっと簡潔ではあるが、要点を絞った説明を望んでいたような気がしている。
三角比と三角関数について書く内容の、考えとか理想を自分でもうまく説明ができない。だから、そのコンテンツを書くことができないのかもしれない。
あわてて付け加えれば、「微分積分」もどこにも発表をしていないのだが、かなり書き溜めた原稿がある。それで自分では発表したものがないにもかかわらず、まだできていないという気があまりしていない。
現在は高校数学では行列を教えていないようだが、行列についてもその分野の入門のコンテンツは必要だと思われる。これもあまりきちんとしたものを原稿として持っているわけではないが、いくつかの予稿とか演習問題の集まりはもっている。