3月21日は春分の日で昨年2月に亡くなった次兄の一年目のお彼岸であった。
たまたま東京から帰省していた姪(50歳半ば)とも食事の時に話す機会があったのだが、姪には複素数は実在しないと思っているようだった。
2乗してー1となる虚数単位 i のことは知っていたが、複素数は実在しないと思っていた。
2次方程式では、もし放物線で表される2次式が x 軸と交点をもたないならば、実数の範囲内では二つの解をもてないことになると説明したのだが、その説明がわかったかどうかわからない。
2次方程式が二つの解をいつでももつためには、数は複素数の範囲でなくてはならない。i^{2}=-1であることも複素平面で考えて説明がつくのだが、これもちょっと説明したがたぶんわからなかっただろう。
ある正の数に負の数をかけると負の数になったり、負の数に負の数を掛けると正の数になったりするのも同様に単なる規約とでも思っているのだろう。いや、世の中の多くの中学校の数学の先生だって、単なる規約だと思っているかもしれない。
現に、ある予備校で数学を教えている先生の書かれた、大部の数学の本にそのようなことが書かれてあった。それもはしがきに。単なる(ー1)・(ー1)=1と規約としてどこか悪いかと書かれてあって、それで予備校の講義で大いに受けたとかあった。こういうことでは、大いに嘆かわしいことだ。
いや、自分で分かっているということと一般の人が分かっているということの間には大きなギャップがあることに気がついた。あまり自分自身ではしたいとは思わないのだが、一般への啓蒙活動が必要である。これは好きでなくても、しなくてはならないことだ。