物理学から遠ざかって久しい。
元々物理学が専門なのだが、どうもあまり専門というには学がなさすぎる。
現在は数学教育に関心があるのだが、これだってもともと私が数学がわからなかったことが原因である。
だから「ただ塾」で数学ができないのではなく、それと接触したくないと思っている生徒さんと出会うと昔の自分を見ているような気がする。
数学と接触したくないと思っている生徒さんだって本当の心の底ではわかりたいとは思っているのだと想像をする。しかし、あまりにもわからないから、自分の数学のわからなさと向き合うのが怖いという感情がめばえてくるのだろう。
それでついつい持ってきたパソコンのゲームとかチャットを見てしまうという心理状況なのではなかろうか。
しかし、デカルトかだれかが言ったように、理性は万人に公平に分け与えられているので、その気になると数学だってできるようになるという素地は誰でも持っているのだ。
要は自分の数学のわからなさとじっくり対面できるかどうかであろうと思っている。それは一朝一夕にはできないが、そんなに無限の時間をかけなくてもできるのだと確信している。
問題はあまりにも無残な自分の現状から逃げないという気概ではなかろうか。しかし、それを持てと言うのは簡単だが、そういう心理状態をどうやって克服するのかという具体的手立てはどうしたらいいのかわからない。
しかし、この覚悟はなかなかつかないものだ。