日本での四元数の歴史的導入についてを自分の博士論文のテーマにされた方がおられると知人の Y さんから聞いた。その女性は科学史の博士論文を書こうとされているらしいのだが、数学が難しくて困ると Y さんにこぼしておられたという。
私の本『四元数の発見』を机の上においておられたとかいう情報を先だって Y さんが私にメールをくれた。なるほどいろいろな人がおられるものである。もっとも数学が難しいのは私の本のことではなかろう。
実際に、行列のかけ算と、ベクトルの内積と外積を知っていれば、私の本を読むことができる。もちろん、触れてはいないけれども底流にはちょっと進んだ概念も含まれてはいるが、それは知らなくてもまったく問題がない。また問題がなくはないかもしれないが、少し頭が機敏であれば、理解できるようなものばかりである。
それに何度も同じ式を別の方法で導出してある。それらはひょっとしたら余計なことであったのかもしれない。
空間回転を四元数で表現する方法も3つの方法で説明をした。どれが一番歴史的に古いのかは私も知らない。これは歴史的な観点で話が展開されているわけではないからである。
このような情報はすべてインターネットのサイトにはあったのだが、それが十分に論理的な展開がされてなかったので、それを私が試みただけである。だが、それくらいのことも不十分にしか展開されていなかった。
四元数についての発見の無意識の心理を探ろうとするような推測を知人の S さんがご自分のブログ上で展開されている。論がおかしい箇所もないわけではないが、興味深く思ったので「数学・物理通信」にまとめたものを投稿していただけないかと打診したのだが、丁重に断られた。
しかし、S さんは私の本での式の展開等もたどられているので、参考になるかもしれない。