角と角度についての簡単なコラムを書きたいと思っている。
昔読んだ岩波新書の『数学の学び方・教え方』に何か角とか角度について書いていなかったかと思って探そうとしたが、当然のことだろうが、これには索引がついていない。
それで、この新書の中に角とか角度についての記述があるのかどうかはすぐにはわからなかった。いまe-Learningのコンテンツの三角関数の部分を書こうとしていることはこのブログでも書いたが、その中で角とか角度についての説明をe-Learningのコンテンツのコラムとして書きたいと考えた。
本の索引をつくるのは昔ほど面倒ではなくなってきてはいるが、それでも本を一冊書いて、いざ索引をつくろうとすると面倒なのでつくれないということがある。
私のことで恐縮だが、外国書の訳本ではない本をはじめて書いたのが、『数学散歩』(国土社、2005)であったが、これに索引をつけるという考えはなかった。
しかし、『数学散歩』に索引がなかったことは、この書の利用価値を減じたのではないかと思ったので、この書の一部を抜き出した書『物理数学散歩』(国土社、2011)を編集したときには索引をつけた。これはこの本を一度通読をした方でも辞書的に使う人のためを考えたからである。
もちろん、『四元数の発見』(海鳴社、2014)を書いたときにも不十分ではあるが、それなりに索引をつけた。
しかし、大部な著書でも索引のない本は普通であるらしい。最近通読した本に『ピタゴラスからオイラーまで』(海鳴社、2019)があるが、これくらい大部な著書となれば、索引があってしかるべきであるが、まったくついていない。
私などは本を1冊通読するよりは、その部分のどこかにある項目について書いたヒントがないかというふうに本を使うことが多い。
遠山啓『数学の学び方・教え方』とか『数学入門』上、下(岩波新書)などは興味深い書だが、あのことはどこに書いてあったかなと探したくなるときがあるが、そう簡単にはその箇所を探し当てることなどできない。
遠山啓『教師のための数学入門』(国土社、1991)にも索引はついていない。これは残念なことだ。
第一、それについて書かれていたのかどうかもわからない。角とはある種の図形らしいが、角度はある種の「量」であり、それについて教育的にどのような認識をしてきたのか、または人類は角とか角度をどのように認識してきたのかを知りたいと現在思っている。
そう思っていくつかの書籍、特に事典とかを探している段階なので、本に索引があれば大いに助かるのだが。
これから本を書く人は電子書籍であっても、索引は余計なものだという考えではいけないだろう。もちろん、小説にまで索引はいらないであろうが、索引のない本は利用価値がぐっと下がるのは事実である。
本をこういう風に常に辞書的に使うという発想の私がわるいのかとも思うが、やはりそうではあるまい。世の学術的な本を書く人の猛省を促したい。
もっとも電子書籍などでは、検索がすぐにできるかもしれないので、索引は不用なのかもしれない。その辺の事情に私は疎い。