数学教育協議会という民間教育団体があるが、その団体の会長をかつて長年されていた、数学者・遠山 啓さんの著作目録を長年にわたって用意してきたが、そろそろ公開しようかと思っている。
これはA4の用紙にプリントすれば、39ページにもなる。ところが、これは単なるリストにすぎないから、それだけにこの長大なリストを発表する場所がない。
しかたがないから、そのままにそれが不完全であることもあって、ずっと手元においていたが、「数学・物理通信」が9月に通巻で100号となるので、「数学・物理通信」の号外として発行することをいま考えている。「数学・物理通信」は普通の人には手に入らないが、インターネットでアクセスできるようになるであろう(注)。
実は私はもう数学教育協議会とあまり関係がなくなっているので、埼玉県のある知り合いの方にこの著作目録の不備なところを補完していただける人の紹介をお願いしたのだが、どうもそれができないとの返事の手紙をもらった。
それでも その方からいくつかの訂正箇所の指摘と追加のアドバイスをもらっ
たので、それらの修正や追加をした後で9月には「数学・物理通信」の号外として発行するつもりである。
(注)「数学・物理通信」は基本的にメールで配布の雑誌である。購読料は無料である。
さらに「数学・物理通信」のバックナンバーはすべてインターネットで「数学・物理通信」で検索すれば、名古屋大学の谷村省吾先生のサイトにある。いつもお世話になる谷村先生、ありがとうございます。
『遠山啓著作集』(太郎次郎社)にも遠山さんの著作のタイトルはどこかの巻に載っているかもしれないが、それはタイトルと最小限の情報だけで発行年月日やページ数も私の編纂した著作リストには載せてある。それにできるだけデータをup-to-dateにもしてある。
遠山さんの伝記『遠山啓』(太郎次郎社エディタス)を書かれた友兼清治さんからは書物になっていないものがまだたくさんあるとご指摘をいただいたが、それ以前に書籍となったものだけでもある程度完全なリストをつくっておくべきであろう。
新聞や雑誌に載ったが、書籍には収録されていないリストをつくる人がいるかどうかはしらないが、それはほとんど不可能である。
国会図書館のOPACで検索すると関連した書籍・論文やエッセイを含めて3000件くらいがでてくる。これを遠山さん本人だけに限ったとしても2000件くらいになるのではなかろうか。
ところが、雑誌等は詳しい掲載ページ等が出ているが、書籍ではあまり発行の年月日等がはっきりとは記載されていないものが多い。
(2022.3.3付記) 「遠山 啓博士の著作目録」は「数学・物理通信」11巻号外号(2021.12)に掲載した。インターネットで検索すれば、名古屋大学の谷村さんのサイトで見ることができる。
広く社会にPRすべきだったが、遅くなった。たぶん、いまある著作目録では一番詳しいのではなかろうか。そもそも「遠山 啓博士の著作目録」などという種類の文献をみたことがない。
私にしてもなかなか発表に至らなかった。もう十年越しの仕事である。