物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「数学・物理通信」の編集にとりかからないと

2021-12-04 13:28:12 | 本と雑誌
「数学・物理通信」の編集にとりかからないといけない時期が来た。今月も2号の発行予定である。それ以外に号外号を心づもりしている。

「数学・物理通信」の編集業務にたずさわっていると掲載する原稿の手持ちがないといけないので、自分でもいくらか原稿を用意しなくてはいけない。

いまの手持ちは投稿された原稿が2編と、自分で用意した原稿が5編である。もちろん、自分の原稿はそれらが全部使われるわけではなく、掲載の候補にすぎない。実際に掲載されるものはこれからいくつか選んで掲載される。

他にも使える原稿はいくつかあるのかもしれないが、現在明瞭に把握しているわけではない。自分のlatexのフィルを見てみれば、他にも適当なものがあるのかもしれない。

要するに、「数学・物理通信」の2つの号の発行予定でも、いくつかの原稿の準備がいるのだ。




ログインパスワードを変えないと

2021-12-03 13:01:24 | 本と雑誌
ときどきログインパスワードを変えないといけないことが起こる。

そのときにどぎまぎする。何度も同じことを行ったりするのだ。gooのブログを使っているので、文句を言う筋ではないのだが、ちょっとしたことでも老人には変更をしなくてはいけないことはつらい。

先刻のこのブログを書こうとしたら、この入力画面がまったくでて来なくなってしまい、慌てた。

なんとかパスワードを変えたのだが、ワンタイムパスワードが正しくないといわれる。

数回やっているうちになんとか最新のワンタイムパスワードがわかり、ここで入力できているという次第である。やれやれ。


LeviーCivitaの記号の積

2021-12-02 10:54:51 | 物理学
3度ほどLeviーCivitaの記号の積について書いたと先日も書いた。

このことにはこの積で縮約した式も含まれる。これは3次元のときが一般的なベクトル解析で有用なのだが、私が半世紀ほど前に、必要としたのは4次元の場合であった。

実はちょっとした摂動計算を、すなわち、あるファインマン・グラフを計算をしょうとして、このLevi-Civita記号の積が出てきて、その縮約公式も必要になったのが、LeviーCivitaの記号の積に親しむいい契機となった。

それでも、これについて初めて書いたのは1985年のことで「テンソル解析の学習における問題点」というエッセイの一部としてこのLevi-Civita記号の積とその縮約公式を取り扱った。どの相対論の本にも、それらの公式は載っているのだが、それがどうやって導出されたのかはわからなかった。

それが研究と関連してどうしても導出する必要ができた。それで私のその当時の指導教官であった、Yさんに相談したら、代数的な導出法を考えてくれた。それで研究はなんとかできた。

その後、20年近くなってテンソル解析の古い本の中に一般化されたKroneckerのデルタとしての、Kroneckerのデルタの行列式を知った。それを「テンソル解析の学習における問題点」に書いた。そのときには研究で知った前の研究ノートを見たのだが、それがどういうものだったか再現できなかった。

しかし、数年してこの時の研究ノートを再度よく読んでその再現したのが、エッセイ「Levi-Civitaの記号の縮約・再論」であった。これは1997年のことである。

その後、有名な物理学者、今井功さんの著書『流体力学』(裳華房)に簡潔なLeviーCivitaの記号の積の導出法を見つけて、そのことをエッセイ「Levi-Civitaの記号の縮約・再々論」として2001年に書いた。定年退職の4年前だった。

最近になってこれらのエッセイの改訂に励んでいるのだが、その後私の見ることのできた本の中にこのことに触れるものも少なくはなかった。

そこらあたりを今の時点で総括したいと考え出している。

(2021.12.3付記) 私の小著『数学散歩』が海賊版としてpdfで配布されていたりするのは、実はベクトル解析の代数部分とかテンソル解析の初歩だとか、このLeviーCivitaの記号の積の導出だとか、その縮約をまともに論じた数少ない書籍だったからだと思っている。

現在では太田浩一さんの著書とかいいテクストはかなりの数ある。だが、この点に関しては述べたのは日本では早い方だったと思う。


辻信行さんの思い出

2021-12-01 11:58:51 | 本と雑誌
出版人であった、辻信行さんの思い出の文章を昨日書いた。まだ読みなおしはしていない。
 
海鳴社という小さな出版社をやっていた人だが、京都大学物理学科の出身だとはごく最近まで知らなかった。
 
イケメンのとても感じのいい人で、話していても、いつも気持がよかった。
 
とはいっても数度会ったことがあるだけである。それも1回にあった時間は最大でも2時間くらいだから、実際には最近ふうの表現だと、対面では合わせても4時間くらいしかあったことはない。
 
辻さんは私よりは5歳くらい年下の方であったが、なかなか謙虚な方でもあり、ある種の名伯楽という感じがある方だった(注1)。
 
海鳴社は世に知られた、吉田武さんの『オイラーの贈物』の最初の出版社であった。この本は理工学書としては3万部を売れたというベストセラ―である。
 
それに超電導の研究者である、村上雅人さんの、なるほどシリーズも『なるほど虚数』以下20数冊を出版されている。わかりやすいとの評判のシリーズである。
 
また、これは辻さんが海鳴社を開く前だが、蒼樹書房に所属されていたときに数学者の森毅さんに頼んで書いてもらった『異説 数学者列伝』(蒼樹書房)も忘れられない。
 
私の『四元数の発見』を出版してもらう契機になった、堀源一郎『ハミルトンと四元数』の出版社でもある(注2)。
 
 
(注1)ここで、名伯楽というのは名馬を見出すの能力をもった人というくらいの意味で使っている。ここでは、いい本となる原稿を見つける能力をもった人ということである。
 
(注2)ここに書いたのと似たような記事だが、「数学・物理通信」7号か8号だったかにも書いたので、そちらも参照してほしい。

(2024.7.12付記)
私のE大学勤務時代に数年同僚だったNさんが、この辻さんと大学時代に同期であったことを最近知った。

それも名前のアルファベット順が近かったので(NTSという順番なので)教養部時代の学生であったときに化学の実験だったか物理の実験だったかのパートナーだったとかともNさんから直に聞いた。

世の中は広いようで狭いものである。
 
 移り実験だったか