物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「数学・物理通信」13巻1号の編集が終わる

2023-03-18 13:45:12 | 物理学

「数学・物理通信」13巻1号の編集が終わった。最終点検に出した。

 

私自身も再度でみるつもりである。こういうのは何回も見る必要がある。だから編集が終わったといってもすぐに発行にはならない。早くても来週の火曜日か水曜日である。編集者は一人か二人なので、見る目が多いわけではない。しかし、あまり大きなミスはしないようにしなければならない。

 

それと余り慌てて発行するといいことがない。それでわざと数日の余裕をおいているのだ。誰からも期待されているわけでもないし、誰かに役立っているということでもない。あくまで自己満足である。それで十分満足している。


韓国と日本の政治的な和解

2023-03-17 13:33:31 | 本と雑誌

韓国と日本の政治的な和解が行われそうである。私たち日本人は韓国人に特に悪感情を抱いているわけではない。これはごく限られた一部の人にはそうではないかもしれないが、一般の大多数の日本人にとって韓国が唾棄すべきも国だとはだれも考えていないと思う。

 

ただ、政治的にはどうもそうもいかないという点があって、むやみに悪化させる要素がいくつかあったが、韓国の現政権の努力によってその政治的な関係の悪化はなくなりそうである。

 

いや、これは別に韓国に限ったことではない。中国にだって大多数の日本人が悪感情を抱いているとは思えない。もちろん、政治的にはいろいろあって軍事的な傾向が中国にもあれば、日本にもあったりする。私自身はこれについてはどちらについても憂慮はしているが、だからといって中国に対する感情がわるくなってはいない。大国になった中国では11億の人を食べさせていかなければ、政権は成り立たない。そういう事情があるのだと思えば、ある程度は仕方がないことだと思う。政府間はどうであっても中国人に対して悪感情を抱く理由がない。そこらあたりをこれは平和を愛する日本人として現在の時点で述べておきたい。

 

中国人かどうかはわからないが、中国語で書かれた「四元数」のい解説の文書をいつだったかインターネットで見かけた。「数学・物理通信」に私の書いた四元数の連載の解説とかも読まれていたらしく、それが後で本になったこともちゃんと追跡をされていて、その本文がもとの解説とあまり変わっていないと書かれているらしかった。らしかったとしか言えないのは私が中国語をほとんど解しないからであるが、その雰囲気は読み取れた。


たまたま聞いたのだが、

2023-03-16 13:34:46 | 本と雑誌

たまたま聞いたのだが、NHKラジオ第2放送で英語タイムトライアルの断片を聞いた。このときになかなか日本語的だが、英語に訳せそうにない表現をとりあげていたらしい。

 

この中に「覆水盆に返らず」という表現が出てきた、あれ、これは中学生のころ一生懸命英語の表現を覚えていたころに覚えていたことわざだなと思ってきいたところIt is no use over spilt milk.であった。ところがなにせもう70年くらい昔の記憶なので、記憶の細部がはっきりしない。

 

それでしかたなく岩波ジュニア新書の『英語ことわざ集』を取り出してきて、調べたのだが、どこかに出ているのか知れないが、わからない。仕方なく英語の辞書のspillを引いたら、It is no use over spilt milk.がようやく出てきて記憶を確かめることができた。やれやれ。


岩波新書の著者として

2023-03-16 13:07:17 | 本と雑誌

岩波新書の著者としてたくさん書いている著者として遠山啓とか武谷三男とかがいる。しかし、彼らも5冊しか書いていない。彼らは私のお気に入りの著者であるが、もう一人のお気に入りの著者に松田道雄がいる。

 

松田道雄は12冊の岩波新書を書いている。その中でもやはり『私は赤ちゃん』『私は二歳』をもっていたが、孫が生まれたときに、子どもに言われて送ってやったので手元にない。他の松田道雄の岩波新書はすべて持っているはずである。それらの書を読み返す時間はなかなか持てないけれども。

 

ご子息には数学者になった方がおられたり、手品師になられたりされた方がおられるとか聞いている。私の年代の人ならひょっとすると私と同じように島崎敏樹さんの岩波新書に関心を持たれた方もおられようか。この人も5冊岩波新書に書かれている。

 

詩人だった大岡信さんは27冊を岩波新書に書かれているが、『折々のうた』とその関連書である。私も数冊はもっているが、なかなか全部をもつことはできてはいない。


短歌の本が売れたという人がいたが、

2023-03-15 16:47:36 | 本と雑誌

昨夜のNHKの「クローズアップ現代」の放送で、短歌が流行っていて、自分の短歌集が1万5千部売れたとかいう方がおられたと聞いた。その短歌集がいくらの定価かは知らないが、2、000円くらいなものだろうか。

印税が10%として1冊200円の収入である。それが一万部売れれば、200万円の収入があることになる。もっとも収入があれば、税金も収めなくてはならないし、たとえ一時的に300万円は入ったとしてもこれは一時的なことであり、ずっと続く保証はない。

なかなか難しいことである。

因みに、数学関係の書で吉田武『オイラーの贈物』(海鳴社)は3万部を売れたという。定価は3,000円であった。この書はいまでは海鳴社版は絶版となり、東海大学出版会から出版されている。

しかし、こういう風に理系の書籍が何万部も売れるなどということは珍しいのではなかろうか。そういう書を書けたらいいなとは思うけれども。

(2024.6.3付記) 
因みに小著『四元数の発見』だが、定価2,000円(税抜き)だったと思う。印税は8%だったかと思うので、2千部の初刷で160円*2000部であり、単純計算では320,000円の収入だった。

税金を10%納入したので、手取りは278,000円であり、かつ査読をしてもらったKさんに10%の査読の謝礼30,000円をはらったから、手元に残ったのは248,000円であった。

本を出版できるのは名誉でもあるから、収入が少ないなどとはいわないが、理系の本では売れるその冊数も限られている。それで儲かることなどはないと思っていい。もっともと特別な例はないとは思わないが。

2022年11月に第2刷が出たが、この出版部数は500部だっただろうから、数万円の印税をもらったが、もうそのお金も底をついている。

3月の子規の俳句

2023-03-14 14:46:42 | 本と雑誌

3月も半ばになったので子規の俳句を紹介しておこう。

 

 低き木に鳶の下りいる春日かな     子規

 a kite perches

   low on the tree

   spring day       (Shiki 1896)

 

kiteは鳶の訳だが、通常はhawkというと英和辞典にあった。hawkならば、普通は鷹だと思うのだが、ほんとのところはどうなんだろうか。perchesとあるので、とまり木に降りてくる感じだが、さてはてどうなんだろうか。他には難しい難しい英語はないと思う。

 

愛媛大学校友会発行のカレンダーの写真では教育学部の玄関前の寒緋桜の写真がついているが、私のブログでは残念ながら写真はつけられない。


大江健三郎氏の逝去

2023-03-14 13:18:15 | 本と雑誌

大江健三郎氏が逝去された。日本でノーベル文学賞を受賞した二人目の文学者である。松山の出身ではないが、松山東高校の卒業生であるから、松山とは縁が深い。

残念ながら、大江さんの小説は一冊も読んだことがない。ただ、岩波新書で出版された『広島ノート』と「沖縄ノート」は読んだと思う。特に『広島ノート』はベストセラーになったという。

文章が難しいし、講演は少なくとも1度は聞いたことがあるが、講演の上手な人ではなかったと思う。ただ、最近どなたかの文章だったかで読んだのでは、大江さんはなかなかユーモアのある人で文章から判断されるような気難しい人ではなかったし、会って話をするのは楽しかったとか書かれていた。

九条の会もその発起人だった人たちが次々と亡くなっていく。加藤周一さん、井上やすしさん、鶴見俊輔さんにつづいての死去である。

彼らが身をもって九条の大切さを示してくれていたが、その大切さをわからない人が多くなっている。

松山東高校の卒業生であるので、彼が高校に在学中に見知っていたという人もおられるとかで、グランドとの境の木の下で一人で本を読んでいるのを見かけたという老齢のご婦人がおられて、妻はその人の話を聞いたことがあるという。あの人はどうなったかなと気にかけておられたら、それが大江健三郎さんだったとのことであった。

高校の時の同級生で大江さんの本をすべて購入して持っていて、読みたいという人の貸していたという人もおられた。もっともこの人に大江さんは批判的であったらしいのだが。この方はもうかなり前に亡くなれている。この方の持たれていた大江さんの著書はすべて松山東高に寄贈されたのではないかと思うが、詳しいことは知らない。この方の妹さんとは私たちは親しかったのだが。

 

(2023.3.15付記) 今朝妻と大江さんのことでブログを書いたと話したら、こういう話をしてくれた。これは私などもいつも感じていることではあるのだが。

本の印税は普通8%であり、もしか定価が1,000円の本であったら、1冊に付き80円しか著者に入らない。それだと10冊売れたら800円、100冊売れたら、8,000円しか入らない。1,000冊売れたらようやく80,000円の収入となる。2,000冊売れたとしてようやく160,000円の収入となる。それくらいしか印税は入らないのである。

大江さんぐらいの作家にもなれば、10,000冊以上はどの本でも売れるだろうが、それで定価がもし1,000円だとすれば、10,000冊売れたしてようやく800,000円しか収入がないのである。華やかに見えるが、なかなか実情は厳しいものである。というようなことを話してくれたのである。

私も本を出版したことがあるが、定価2,000円であり、8%の印税だったかどうかは忘れたが、そんなものである。いくらか初版が出たときに、印税をもらったが、出版部数は2,000部であり、高々160,000円くらい、実状はこの2倍であったかもしれないが、高々そんなものである。

そして、その2,000部の初版が売れるのに8年から9年かかっている。昨年の11月に再版されたが、この分は全部売れないと印税は入らない。そして多分再版部数は500部である。

私などまだそれでも再版がされたからまだいいのだが、ひょっとすると初版で絶版の憂き目にあう本など五万とあろうか。作家として生活ができるなどという人はごく少数にしかすぎない。

 

 

 

 


「数学・物理通信」の編集をはじめる

2023-03-13 10:43:27 | 数学

「数学・物理通信」の編集をはじめることにした。ようやくというべきか。

なかなか編集にとりかかる気持が湧かなかった。これは私の老化の性なのかどうか。多分そうなのだろう。二つほどすでに投稿原稿はある。さらに、私の原稿も出来上がったと考えてもよいだろう。それでどういうページ数になるのか編集してみないとわからない。

それに私が査読をしている長い投稿原稿もある。この原稿は掲載することはいいと思っているのだが、内容を整理してもっと短くしてほしいという気がしている。それを逐一この箇所は必要ですか、というふうに注意をすべきなのかどうかはちょっとわからない。もうちょっと読んでみないとわからない。

 

私の編集者としての未熟さが出てきているような気もするが、それだけでもなさそうである。いずれにしてもなかなか仕事ははかどらない。


心理的に引きずっている

2023-03-11 16:50:35 | 数学

心理的に引きずっている。午前中は昨日見直したガウス数値積分のエッセイの修正箇所を入力した。その後でむしろ以前にはOKとしたところが気になり始めた。それで具体的にルジャンドルの多項式の場合を一般論にしたがってチェックしたいと思うようになった。

前に伏見、赤井著の『直交関数系』(共立出版)のチェックをしたときにはあまり気にならなかったことが気になり始めたのだ。それで具体的にチェックをしておきたい。さきほど具体的にルジャンドル、ラゲール、エルミートの多項式の漸化式だとか直交性だとかを具体的にチェックしたいのだ。

私の持っている本ではあまりこういうことをきちんと書いた本がない。むかし、大学に在職中にこういう一般論を調べたことがあり、ある本を読んだ覚えがあるが、どうもあまりピンとこなかった。最近何十年かぶりに勉強し直して、今度はわかったと思ったのだが、それが揺らいで来ている。今度こそはわかった思ったので、かなりのページ数を使って付録を書いたのだが、またまた足元が揺らいでいる。

原稿そのものは出来がったと思っているのだが、どうも具合が悪い。

それとは別に以前にはピンとこなかったことが、今度新たに何か解決したように思うのだが、それが今朝の朝方に見た単なる夢だったのかどうかも判然としない。なにか考えるともなしに考えているらしい。


ちょっとうんざりしている

2023-03-10 12:51:17 | 数学

「ちょっとうんざりしている」と言ったら、少し誇張かな。昨日も一日中を数値積分のエッセイの見直しをしたのだが、式の番号をきちんとするために文を見直している。式の番号は自動的に決められるが、本文中の式の番号を本文を読んで正しいかどうかをチェックするのに時間がかかる。

 

それも以前に書いた初めからある付録の部分を付録の一番後ろに回したので、式番号が全く変わってしまった。しかし、その見直しもさきほど終わったので、これからはその入力をしなくてはならない。

 

およそ、下敷きにした参考文献とほとんど同じ文章の部分もあるが、少なくとも自分に納得しないとこういうエッセイだって書けないのである。なかなか忍耐がいる。もっとも私はこういうエッセイを書くのが好きなのでしかたがない。

 

大学在職中に私より若い同僚の方であるが、優秀な方であるのに研究上で何かがわかっても自分がわかったら、それを論文にあまりする気にならないのだという方がおられた。人もいろいろだと思う。

 

 


ガウス数値積分のエッセイ

2023-03-08 13:50:14 | 数学

ガウス数値積分の昔のエッセイを改訂して、「数学・物理通信」に投稿しようとしているのだが、なかなかその改訂ができあがらない。

新しい付録をつけることにしていたのだが、それはずっと以前に書きあがっていた。ところが本文を読んで、また別の付録を付加することにしたからである。これは前の原稿ではつけていなかったのだが、いくつかつけたほうがよいと判断をした項目である。実はこれはラグランジュの補間式と関係したことであるので、他の文献でどう書いてあるかを調べることをした方がいいと思って調べている。

スプライン関数のエッセイを書いたときに、やはりラグランジュ補間について書いたように思うが、そのときとは別の観点からラグランジュ補間について書いておきたいと思っている。

この今改訂している「ガウスの数値積分」とすでに「数学・物理通信」に掲載した「スプライン関数入門」とはいずれも『数学散歩』(国土社)に所収されたものである。これらは研究に付随してわかったことだが、『物理数学散歩』(国土社)には掲載しなかった。これはたぶんにかかなり立ち入った話題だと思ったからである。

いずれにしても両方とも「数学・物理通信」で遅くとも4月には見ることができるようになるであろう。これら二つのエッセイのタイトルには「歩行者のための」という言葉をつけてあるので、わかるように、この二つのテーマに関心のある人には素人で理解できるはずである。もちろん少しだけこれらの文章を読むだけの忍耐力を要求するのはしかたがない。もちろん、予備知識はほとんどいらない。


自分の書いた文章を読みなおす

2023-03-07 13:24:29 | 数学

自分の書いた文章を読みなおしている。これは「ガウスの数値積分」について昔書いたエッセイを最近になって付録を書き加えたのだが、プリンターが使えなかったので、そのままにしていたのをようやくプリントしたのを紙の上で見直している。

 

そうするとわからないところが出てきたので、自分で昨日計算してみようとしたが、なかなかうまくフォローできない。それで、前にも見たことのある遠山啓『微分と積分』(日本評論社)を見たところとてもうまく書かれている。多分、スプライン補間のエッセイの改訂版を書いたときにもこの本を読んだのだが、内容は忘れてしまっていた。遠山さんの記述が標準的なものだかどうかは知らない。そのことは元の森口繁一先生の書いた本を見て見ればわかるのだろうが、その本がどこにいったかわからない。

 

また、前には気にならなかったところが、その説明を付録に書いておいた方がいいのではないかと思っている。要するに結果だけを書いておくことに、私はいつでも後ろめたさを感じるのである。発見的に結果を導くやり方を示すべきではなかろうかと思いはじめている。

 


プリンターが入った

2023-03-06 14:56:45 | 本と雑誌

レーザープリンターを使っているのだが、そのトナーが製造停止となっていたので、結局レーザープリンターを更新せざるを得なくなった。

 

それが品不足でなかなかはいらなかったのだが、先週の土曜日に入った。それでさっそく数学・物理通信に投稿されていた原稿を印刷して持ち帰った。日曜日に見たのだが、なかなか長くてまだ全部を見るという訳には行かない。それでも大分読んだ。

 

数日中には投稿者に意見を述べることができるだろう。


級数

2023-03-04 11:57:27 | 数学

級数とは日本語なのだが、あまりなじみのない語かもしれない。数列を知らない人はいないと思うので、そういう数列の各項を+または―の記号で結び付けたものといったらわかるだろうか。言葉では説明が難しいが、

 

 a+b+c+d+・・・

 

といった式で書くとなんだそうかとうことになる。これが級数である。もっともどこかで終わってもいいが、終わらない場合もある。こういう級数の一つにテーラー展開があり、またフ―リエ展開がある。

 

そして、テーラー展開が数学的に提唱される前にすでにそのような級数の展開のあるものは知られていたというようなことをテーラー展開のエッセイで書きたいと思っているのだ。そのためにある数学史の本を読んでいるのだが、これがなかなかうまくまとまらない。そういうフラストレート状態が続いている。


解析接続

2023-03-03 10:20:32 | 数学

解析接続について先日も書いたかもしれないが、なかなかわかりやすく書いたものがないと書いたと思う。

 最近読んだ本では石井俊全『大学の複素関数』(技術評論社)がわかりやすかった。だが、この本ではあまり解析接続のいろいろの手法についての説明はない。昨夜読んだ本の小数野寺嘉孝『なっとくする複素関数』(講談社)はわかりやすいだけではなく、例も数例あっていいと思う。

 解析接続については松田哲『複素関数』(岩波書店)と金子晃『複素関数講義』(サイエンス社)がいろいろな解析接続の手法が説明されているので、この2つの書がお勧めである。

 だが、はじめに述べた石井の著書と小野寺の著書は解析接続のその突き抜けた解説で特色がある。もっとも私が問題にしているもうひとつトピックの分岐点については石井の著書にはあまり具体的に書かれていないような気がする。小野寺の書にはこのことが書かれているが。

 分岐点については私の解説も読んでみてほしい。「数学・物理通信」9巻1号(2019.3)の「分岐点の定義(新版)」をインターネット検索して読んでみてほしい。「数学・物理通信」はインターネットで容易に検索できる。あまりほかの複素関数の本では読めないような説明を読めるはずである。