昨日はさぼったので、今日は少し昨日よりはがんばってみた。とはいうもののぺージにして2ページほどの入力にしか過ぎない。
もっとも、ようやくベクトル空間の公理の入力を終わり、計量ベクトル空間の公理を入力したにすぎない。
距離の概念である、ベクトルのノルムについての入力は明日以降に持ち越しとなった。もっともこれでもだんだん目的の直交補空間に近づいてきている。
四元数のつくるベクトル空間に直交性を導入して、4次元のベクトル空間のうちの四元数の実部のつくる空間と虚部のつくるベクトル空間とが直交しているというのが説明したいことである。
というかこのことを直観的に説明をしたのが、私の本の第6章の6.3節であった(注)。
だが、これをあまりに急に行ったために査読者からもともとベクトル空間で前もって定義しておくべきだったベクトルの直交性についての議論が欠けていた。これを鋭く査読者に指摘されたのであった。
しかし、もうそのときには本の原稿はすでに編集者の手にわたっており、それにどのように修正したらいいかはそのときには私には見当もつかなかった。それでしかたなく、補注の形で査読者の疑問に答えるという形式をとって補注を大幅につけて第12章とした。したがって、当該の第6章は手つかずのそのままだった。
しかし、この措置は臨時の措置であり、根本的な手直しが必要であった。
幸いなことに、アマゾンコムの書評ではこの応急措置に対して大きな批判は出ていなかった。しかし、批判が出ようと出まいとあまりよくないことは確かである。それがほぼ十年を経過してようやくその溝を埋めるようなことができつつある。
もっともそのためにこの部分の記述が標準的なテクストに似たものとなってしまったことは否めない。いくらかでも独自性を出せるかどうか、いまのところまだわからない。
いま感じていることは線形代数でのベクトルはかなり抽象的であるが、一方でベクトル解析でのベクトルはかなり具体的であるという感じがしている。同じものを対象にはしているのだが。
それとベクトルの歴史的な発展とか線形代数におけるべクトル空間におけるベクトルとベクトル解析におけるべクトルとの関係を論じたものがあまりないような気がする。
科目内容がちがうだからの当然かもしれないが、そういうギャップを感じている。
(注)ここまで書いて、数行上に書いたことが本当だったか疑わしくなってきた。いまのところこのまま残しておくが、数日したらまちがいに気がついて消去しなければならないかもしれない。