先日、E大学のOPACで線形代数の語が入った書を調べたらたくさん出てきた。皆さんどれくらいの数あったと思いますか。
「40冊くらいだと思う」というのが標準的な答えでしょうか。これでも十分多いのですが、答えは400冊を越えるです。
もちろん、これは必ずしも一般の線形代数のテクストではないのだが、書名に一部でも線形代数とかが入っているということもあります。それにしてもこれだけ多い国は世界中でもないでしょう。
日本の国の文化の程度が高いことの証でもあるでしょう。そういう文化の日本における特異性が役立つといいのだがと思います。
最近では日本の経済とか国勢とかの衰えが言われます。これはたぶん事実でしょう。そして経済だけでなく、科学力だとか技術力だとかのいまの現状からの回復は絶対に必要だと思います。
だが、その基礎には線形代数の書がこれだけ多いというような日本の文化の特性があり、そういうことから日本が経済力だけではなく、科学・技術力も政治力も回復できるだけの潜在的能力をもっているはずだとの自信をもつことができます。
もっとも、これが単なる過信であってはなりません。そうではなくて、もっと地道な努力をすることが必要でしょう。その努力は絶対必要なことですが、そのためにも過信ではない、自信を失わないことが望まれます。