弧度法3まで書いたので、頭にのってその4を書く。
これは直接に狭義の弧度法ではないのだが、立体角のことである。立体角は平面の弧度法の角の3次元への一般化である。
最近ではそういうことをちゃんと書いた本もかなり出るようになったが、立体角はなかなか理解ができにくいことの一つであった。私がこの立体角のことを愛数協の「研究と実践」No.31 (1989.9)に書いたころは他ではこのわかりやすい説明はあまり見たことがなかった(注1)。
その後、このエッセイを『数学散歩』(国土社、2005)に収録したときには元同僚だった、沢新之輔さんの書かれた解説が『エース電磁気学』(朝倉書店、1998)付録Bに出ている。ここでも沢さんは立体角の定義は平面での角の弧度法での定義の一般化であると明瞭に書かれている(注2)。
ちなみにいうと、『エース電磁気学』は3人の著者がおられて、そのうちのもう一人もよく存じ上げている小野和雄さんである。この方も元工学部の同僚であった。
(注1)この1989年はべルリンの壁の崩壊が起こった記憶すべき年であった。
(注2)小著『数学散歩』はもう残部はほとんど残っていないが、その中から物理数学に役立つ記事を抜粋した『物理数学散歩』(国土社)はアマゾンコムで購入できるので安いから購入してほしい。定価は2,000円ほどである。この本にはもちろん立体角のエッセイは収録されている。
他にファインマンがWoodsの解析学の本から学んだという「微分をして、積分を求める」方法も説明してある。ベクトル代数でよく使われるLevi-Civitaの記号の縮約についての日本語のテクストとしてはたぶん一番詳しい説明などもある。
最近では多くの文献で見かけるようになった、Legendre変換の説明もある。