4年1か月にわたり最大野党をリードしてきた、枝野幸男代表・福山哲郎幹事長の辞任表明に、立憲民主党内には冷静な受け止めが見られました。枝野さんが「民主しぐさ」に先手を打ったともいえます。
2017年秋以降初めてのフルスペックの代表選は、泉健太さんや小川淳也さんを軸とした展開となりそうです。江田憲司さんや神奈川県連、連合組織内参議院議員、重徳和彦さんなどがあさって以降に会合を持つことも予想されます。
執行役員会は12名だけで行われます。このうち、枝野さんのきょう辞任意向を知っていたのは、おそらく福山さん、蓮舫代表代行だけだったように思います。記者らも、祭りの後症候群なのか、直前まで「なんか記者が多いね」とダベッていて、この直後に起こりうる政界で2番目か、3番目に重大な進退表明を予期せぬかの雰囲気。
枝野さんはいつもと変わらない表情でしたので、辞任表明はないのかと思いましたが、蓮舫さんはちょっと違いましたので、ああそうかな、と思っていました。「枝野派」の近藤昭一・企業団体委員長も知らなかったのではないでしょうか。
2017年代表選から結党に向けたメンバーでは、福山幹事長、近藤昭一・企業団体委員長しか入っていません。赤松広隆前副議長が引退し、自治労の江崎孝、JP労組の難波奨二両参院議員も半年後の引退が既に決定していますので、「枝野派」が一気に減ったことも今回の判断の要因だったのかもしれません。
落選した平野博文代表代行欠席で。辻元清美さんはもともとメンバーではありません。小川さんもメンバーではありません。
また、執行役員会メンバーではない岡田克也常任顧問は自室で日テレニュース24のニュース速報を聞いて「マジかよ」とびっくり。その後、地下四階の第一議員会館から第二議員会館への通路をエコバック一つぶら下げて第二議員会館に向かいました。岡田さんが先方から「どうもこんにちは」と私に言うのですが、私がどこに行くのか聞くわけにもいかず、もちろん第二会館に行くしかないのですが、私が「執行役員会が」と話すと岡田さんは「おれ、メンバーじゃないから」と一言。この1年2か月、執行役員会の情報が入らないことに不満はあったようです。岡田さんはSNSなどで地元での精力的な活動ぶりが知られていますが、1月4日(月)午前10時とか、投票日翌々日の午後1時などのタイミングには会館に居て、にらみをきかせています。きょうは大半の議員が上京していませんでした。
枝野さんの口上は次の通り。
「政権の選択肢として、次のステップを私どもとして、踏み出していくことが厳しい状況の中ではありますが、たくさんの皆さんにご支援いただたいた立憲の役割、責任であると思っております。そうした状況を踏まえるならば、新しい代表のもと、新しい体制を構えて来年の参院選挙、そして次の政権選択選挙に向かっていかなければならないと決断をいたしました」
「昨年9月の代表選挙は国会議員だけの投票でございました。国会日程等がございますが、党員、協力党員、パートナーズの皆さんにしっかりと参加していただいた形で新しい代表を選んで、しっかりとした体制で参院選挙選に臨んでいただきたいと思います」
「特別国会は総選挙の結果を議会で正式に示すことでございますので、特別国会までは私に代表を務めさせていただき、特別国会閉会日に代表を降りさせていただいて、代表選挙の手続きを速やかに進めていただきたいと思っています。皆さんにご了解いただければ、今日からそこに向けた事務的準備を進めていただきたいと思っています」
[写真]枝野代表の辞任表明は淡々としていた。
[写真]江田憲司代表代行、泉健太政調会長、水岡俊一参議院議員会長。
[写真]事前に意向を知っていたと思われる蓮舫代表代行と、安住淳国会対策委員長。
[写真]田名部匡代常任幹事会議長。
[写真]けわしい表情の大串博志・役員室長。
[写真]右手前が大島敦・組織委員長。さらに右手前に映っていないが、近藤昭一・企業・団体委員長。合計12議員だけで、落選した平野博文代表代行は欠席とみられる。
以上でした。
執行役員会は30分ほどで終了。
執行役員会後は、福山幹事長が1人で記者ブリーフィング。最後まで、枝野代表と福山幹事長の信頼があつかったことをうかがわせました。
なお関係ないのですが、きょうNTTドコモが「災害優先電話の解除の方法のお知らせ会場」という出店を出していました。衆議院議員の災害優先電話というものがあることを知りました。また、衆議院事務局は、引っ越し退去はわざと愛想が悪いが精力的な職員を選んでいると思われますが、既に退去済みで、廊下やエレベーターから名前を消された議員がいる一方、例えば、再選した自民党の後藤茂之厚生労働大臣には胡蝶蘭が既に廊下まであふれるなどのいつもの光景が広がっていました。
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