宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

令和6年度補正予算案は「総則に能登に予備費0・1兆円書き込みの修正」で議決、28年ぶりの修正、参でも可決し会期内成立へ 

2024年12月12日 17時24分03秒 | 214臨時215特別216臨時石破熟議
[写真]申し入れをする近藤和也さん、ことし1月26日、内閣府8号館で、宮崎信行撮影。

 近藤和也さんはきょうが51歳の誕生日。おめでとうございます。

 補正予算案は「修正すべきだ」と議決され、参議院に送られ、会期内成立が確定しました。院の結論として、予算総則に予備費のうち0・1兆円を能登にあてるべきだとする修正議決がなされ、参でも衆送付通りに議決する見通し。

 卑近な例ですが、筆者個人は、人生でデモに参加したのが2回で、1回目が「住専に税金を使うなデモ」(武道館発、誘導・民社系、参加・新生、創価学会女性部系、日本新党は議員のみ)。学生時代の勝率100%で、自分の考えを国会議決に反映させる成功経験はとても高いです。

 また人事院勧告実施の法案も衆を通過し、総務委の地方公務員の育児休業法も含めて成立、公布、施行されることが確定しました。

 年内の政局はこれで終わりますが、およそ100日後の当初予算案の衆通過にかけて、私たちの民主主義は再び歴史的局面を迎えます。

 政府原案は「自公維国」が賛成し、修正部分だけは立憲も賛成に回りました。与党は「自公と国」「自公と維」のどちらでも当初予算案を成立させられる自信を得ました。一方、立憲も修正案を提出して2時間テレビ入りで答弁。その後に、自公発議による修正をかちとり、完勝となりました。

 また「減税を言う政治家はポピュリズムの恥ずべき政治家だ」との誤解が崩れました。

【衆・本会議】
 「補正予算案」「地方交付税法改正案」(閣法5号)「一般職給与法」(1号)「特別職」(2号)「国家公務員育児休業法」(3号)「裁判官」(7号)「検察官」(8号)「自衛隊」(9号)が採決され、参に送られました。議院運営委員長が起草した「歳費法改正案」(216衆法 号)「国会職員育児休業法改正案」(衆法 号)「国会議員秘書給与法改正案」(衆法 号)が可決し、参に送られました。

 川内博史さんは「予算委員会で、政府案とともに、野党提出の修正案が並行審議され、それが反映されて、修正議決をしたことは、与党の事前審査制に変わり、万機公論に決すべしという、熟議と公開というあるべき国会への第一歩、国民の税金の使い方を議論する場が大きく変わった瞬間でありました。これが真の国会であり、与党の先生方にも、今後これに慣れていただかなければならないのであります」と述べました。

【衆・予算委】
 「補正予算案」は4日目。まず立憲単独修正案を重徳和彦さんが趣旨説明。2時間の集中審議「内外の諸課題」。ここでは大臣よりも、立憲政調会の重徳会長と城井崇会長代理、階猛・ネクスト財務相の3人が答弁しました。階さんらは増額修正について憲法上の疑義があるかもしれないので避けたとしました。「減税ブーム」に呼応して「削減派」の本上知史さんが浮上し3日間で2度目の登場。最後は近藤和也さんも登場しました。
 この後、高木啓・自民党議員が「自公修正案」を説明。前日に自立国対委員長が合意したものです。締めくくり質疑。採決では、「共産組み替え動議」「れいわ組み替え動議」「維新組み替え動議」が各々賛成少数で否決。次に、立憲修正案については、立憲と有志の会のみの賛成にとどまり、2時間答弁したのにあえなく否決、一事不再議により参で同じものは出せません。そして「自公修正案」は立憲、自民、公明など各党の賛成で議決されました。最後に周囲性部分を除く政府原案については立憲は反対に回り、自公維国などの賛成多数で議決し、「修正すべきだ」との報告を本会議に安住淳委員長がすることになりました。

【衆・総務委】
 「地方交付税法改正案」(216閣法5号)を審議して、可決すべきだとし、本会議に緊急上程。

【衆・内閣委】【衆・法務委】【衆・安全保障委】
 人事院の勧告実施の「213閣法1、2、7、8、9号」の5法案と、人事院の意見の実施の「213閣法3号」を可決すべきだと決めました。これに先立ち、共産党の本村伸子法務委員は「鈴木法相はお金の問題もある」「一般質疑を優先すべきだ」とSNSに投稿し、25年ぶりに委員長が交代した同党国対の公式アカウントもリポストしました。

【衆・政治改革特別委】
 「216衆法2、6乃至13号」の9法案を審議。あす9時再開。

【衆・復興・災害特別委】
 大臣の所信的あいさつ。野党側筆頭理事は近藤和也さんになります。次席理事は小熊慎司さん(福島4区)。三席理事が、近藤さんと当選期(第45、48から50の当選4回)が一致する森山浩行さんとなります。

【参は無し】
 あす朝から基本的質疑。週明け月曜日とも、片道方式で7時間コースの質疑となります。

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立修正「否決」自立修正「議決」政府原案「国賛成・立反対」へ、立憲は「笠」「重徳」の2ルートは「野田スーパー国対委員長」は「ホリエモン武部幹事長偽メール」で辞任時の「西沢ルート1本」を教訓としたか

2024年12月12日 08時29分10秒 | 214臨時215特別216臨時石破熟議
[写真]立憲民主党の笠浩史国対委員長、重徳和彦政調会長、各々おととし2022年とことし2024年に宮崎信行撮影。

 補正予算案は、きょう衆議院での採決をむかえ、立憲の重徳政調会長がまとめた「修正案」は否決、立憲の笠国対委員長と自民の坂本国対委員長(前農相で九州・森派所属)の「総則修正」は可決、森山裕さんら自公国3党幹事長合意も可決となります。が、立憲は政府原案に反対することから、自公与党は当初予算案の枠組みは一から考え直さないといけなくなります。

 立憲は「代表・政調会長一任」を提出前から党議で受けていました。予算案の修正議決は平成8年度当初予算案の「新進党の住宅金融専門会社に税金を使うなピケ・デモ」、平成21年度第2次補正予算の定額給付金削除の参議院での議決があります。国会の結論が「修正」となるのは平成8年以来となります。

 自民党内は森山一ルートであることが分かりましたが、立憲内には2ルートあることが分かりました。野田佳彦代表は両ルートを把握しつつ、当事者たちには違う受け答えをしたかもしれません。

 野田佳彦さんは、2008年頃、小沢一郎代表が「スーパー国対委員長・スーパー選対委員長」と呼ばれた頃に「民主党7奉行」として唯一広報委員長として役員会に入っていたときがあります。それに先立ち、野田さんは国対委員長をしていたことがあります。この際は堀江経営者が武部勤自民党幹事長に対して振り込みを依頼したとする「偽メール」について、「西沢元長野県知事のおいだと名乗る自称・ジャーナリスト」のルート1本で信じてしまい、偽造と分かり、辞任に追い込まれました。このため、2ルートを持つことで、2度目のスーパー国対委員長をしていると考えられます。

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