[写真]颯爽と初登院した民主党の石上俊雄参議院議員、2013年8月2日(日)、筆者(宮崎信行)撮影。
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2013年8月4日(日)、当ブログは7年目に突入しました。ひとえにみなさまのおかげです。日々、1000IP(アイピー・読者数),4000PV(ページビュー・閲覧数)の安定した成績の中で、奇をてらわず、自分の書きたいことを書ける毎日。そして、おととい召集された第184臨時国会はまた新しいスタートです。民主党・新緑風会が参院第2会派に転落しました。このブログでは初めてのこと。衆参とも第2会派、名実ともに野党第1党となり、再び選挙で代表を総理として官邸に担ぎ込む、さあ黄金の3年間のスタートです。
第23期参議院は2013年(平成25年)7月29日(月)から任期が始まっていますが、8月2日(金)の召集日の朝、民主党1期生が希望の初登院。
私はこの日は特別通行証を借りていなかったので、国会正門外での取材となりましたが、午前8時20分、堂々たる27万1553票で比例代表トップ(全体で14位)当選の新人、磯崎哲史(磯哲史、いそざき哲史)さんが、静かに正門を通り過ぎていきました。
[写真]国会正門を初登院する磯崎哲史・参議院議員、2013年8月2日(金)午前8時20分、筆者(宮崎信行)撮影。
選挙時と同じオレンジ色のネクタイの磯崎さんですが、あまりにも普通に通り過ぎていき、声をかけられず。ちょっとちょっと、礒崎さん、ここは国会正門前で、日産追浜工場正門前じゃないですよ!とはいえ、礒崎さんにとっては、国会正門も日産追浜工場正門もトヨタ元町工場正門もマツダ府中工場正門も、同じように通っていくんでしょう。それが働く仲間の声を国会に届けるということなのです。
働く仲間の代表、礒崎さんの1分後に、なりやら取り巻きを引き連れた人があらわれました。
大統領でも来たのかと思いきや、「社長」のワタミこと渡辺美樹・自民党参議院議員。
これを出向かえるのは、同じく社長として知られる、スマイル党党首のマック赤坂元候補。マック元候補は、当選証書がないのに初登院するのがこのところの参院選後の恒例になっています。
マックさん(左)は渡辺議員(カメラ向こう)とがっちり握手。
社長どうしがっちり握手。この後、ワタミ議員は国会内へ、マックは国会外に。
つづいて、民主党比例最後の7番目、15万2121票で初当選した石上俊雄(いしがみ・としお)さんが登場。
さっそうとあわれた石上さんは、国会議事堂をバックに、記念撮影。石上さん、様になってるね~~。労働界のスター誕生です。社長島耕作が会長島耕作になるそうですが、島耕作は初芝電産、石上さんは東芝ですが、「議員・島耕作」みたい。おそらく、電機連合のスタッフの方が撮影していたんだと思いますので、次号の機関誌は女性社員のあいだでお宝物になりそうな気配。
様になったスターの気配を感じて、マックが登場。石上さんに絡んで、「おい、言っとくけどな、きょうが始まりじゃないからな」。私は、何か経営者らしい教訓でも垂れるのかと思いました。石上さんも「もちろん、わかってますよ」とスマイルで返答。ところが、マックは続けて、「3年後がスタートだぞ。3年後に俺が当選してからが、お前の議員生活が始まるんだぞ」と言い出したので、
石上さんはマックさんに軽く手を挙げて、国会内へ。
石上さん、筆者のインタビューにはきさくに応じてくれました。
「最下位当選でしたが、今の気持ちは?」
「ひやひやでしたけど、全国を回っていて、手ごたえを感じていたので、仲間を信じていました」。
「委員会の所属の希望は?」
「今はまだ決めていませんけど、産業政策にしっかりとかかわっていきたいです」。
続いて、非産別および選挙区唯一の新人議員となった森本真治(もりもと・しんじ)さん=広島=が初登院。
[写真]左手に娘さんを抱き、右手で息子さんと手をつなぎ、初登院する民主党の森本真治・参議院議員。
さて、参議院本会議の傍聴があるので、裏門に向かいましたが、その途中の通用門では、数分に1人ずつ、先輩議員が公用車に乗り登院していきました。
このように、国会正門前の喧騒とはうってかわって、参議院通用門には誰も取材陣がいない閑散とした風景。
参通用門から遠くに、初登院取材の各社報道陣がうかがえます。
[写真]民主党の浜野喜史参院議員。
このほか、民主党新人では、浜野喜史(はまの・よしふみ)さんも初登院しました。衆在職3年3か月の野田国義・新参院議員も初登院しています。
【参議院本会議 2013年8月2日(金)】
第23回参議院議員通常選挙(2013年7月21日施行)を受けた、第184回臨時国会が召集されました。
第1会派に与党・自民党が復帰、第2会派野党・民主党が6年ぶりに転落し、ねじれ国
会に終止符が打たれました。
民主党の議席は少なくなったのかなあと思いきや、昨年の衆本会議場の激変と比べて、さほど変わらない印象。席は自民党と入れ替わり、議長からみて、「中央やや右」に移りました。まあ「やや右」ぐらいが、これからの3年間いいのかなあ。議長から見て、左から日本共産党、社民党、公明党、自民党、民主党、みんなの党、維新の会の順になりました。ほぼ、立党順の並んでいるイメージ。議長からみて右の「ニュー野党3党」の連携がカギか。
名実ともに最左翼になった共産党は、市田書記局長がもっとも奥になり、山下団長がその隣に座ります。最右翼は最年長議員(Father of The House)でもある維新の会の片山虎之助さんで、その隣がみんなの党の松沢成文さん。最右列の上から2つ下の席にはアントニオ猪木議員ですが、大きくて驚きました。さらに金箔の扇子も超大。傍聴席からはとても見えやすい位置なので、参院傍聴の人気が高まりそうです。
民主党の最前列には、浜野喜史さん、石上俊雄さん、磯哲史さん、森本真治さんの4人が並びました。
ところが、自民党の最前列は、丸川厚生労働政務官らがならんでいます。これはおそらく参議院から出て、衆議院や役所に行きやすいようにする配慮でしょう。この政務官らの国会より役所へという姿勢。自民党らしいですが、これからの黄金の3年間で、国会軽視がでかねないのではないか。しっかりとスケッチしたいところです。
10時になり、橋本事務総長が入場し、議長席に。この時点で190名しか議場に入っていなかったのですが、橋本事務総長はかまわずギャベルをたたきました。県会議長経験がある自民党新人57歳が席がわからず悩んでおり、衛視さんが教えに行きました。
平田健二前議長の任期が切れており、山崎副議長は、辞任しました。参事は「半数が改選されたので辞任したい」との山崎副議長の辞表を演壇で朗読しました。了解をえました。
続いて、議長選挙。無名投票で、橋本事務総長が取り仕切りました。名刺(氏名がかかれた木札)と投票用紙(無名)を持っていくのですが、自民党の首相補佐官らが忘れて、議席に戻る緊張感に欠けるシーンがしばしばみられました。公明党は最前列で秋野政務官が新人の佐々木さやか議員に教えてあげるなど、先輩が新人を指導する姿が見られました。民主党でも選挙区で勝ち残った改選議員数人が議席に名刺を取りに戻りました。ふだんは注意深い人なのに、改選で厳しいなか勝ち残った人が名刺を忘れて戻っており、やはり選挙というのは厳しいものだと感じました。そして、衆議院の全員改選方式がはたしていいのかと感じました。
参議院では議場を閉鎖せずに堂々めぐり。11分ほどで終わり、参事4人が開票作業に入りましたが、ここで事務次長が事務総長に用紙を見せるシーンが数回あり、不審票めいたものがあったようです。開票結果は投票総数241(現在参議院は欠員1名なので全員出席・全員投票)で、山崎正昭さんが241票。事務次長が山崎議員の自席から先導し、その間に事務総長は議長席から演壇へ。事務総長が「議長山崎正昭君を紹介します」というと、山崎議長があいさつ。この後、事務総長は事務総長席に座り、山崎さんは議長席へ。
さっそく、副議長選挙に入りました。
ここでは、参院議員である、自民党大臣の山本一太さん、森まさこさんが投票を終えた後、山口那津男公明党代表の席まであいさつにいく姿がみられ、自公政権の本質を垣間見ました。
山形選挙区で初当選した大沼瑞穂・自民党議員34歳の身のこなしが、背筋が柔らかく、アキレス感が強く、印象に残りました。
投票終了。この後、開票中に事務次長はいくつも事務総長に票をみせる動作があり、波乱の予感。そして、開票開始から6分後、事務次長と議事部長が電卓を何度も叩きました。その2分後、事務次長が座席下から白いコード電話を取出し話始めました。あそこに、電話があるとは知らなかったので、おどろきました。
ここで、参議院公明党の西田実仁幹事長がすばやく自席から飛び出し、木札の数を、新妻議員、平木議員、杉議員、河野議員の各新人の自席を回りチェックしだしのたので、私も名刺の数が整合していないのだろう、と予想しました。
西田チェックから5分後、議運理事らが議場内交渉スペースに登壇し始めました。やがて自民党の岡田筆頭理事が事務次長席の電話で話し始めました。投票終了から21分経って、議長が「ただいま理事が協議中なのでしばらくお待ちください」と発言。自民党の脇幹事長も、新人を回ってチェックしましたが、途中で冗談を飛ばして笑いがわくなど和気あいあいとしたムード。11時になると、天候不順のためか、補助のランプが点灯し、事務局がケージ(計量箱)を再度議場内に持ってくるなど異常な雰囲気に。参議院先例録で、参議院規則などを理事と職員が読み出して、自席にすわる岩城議運委員長に自民党理事が説明に行く光景が続きました。ここで、西田昌司議員が「だれがまちがえたかはっきりさせろよ!」とヤジ。水野賢一理事が交渉スペースから降壇するときに足を滑らせて、議場内がもっとも騒然としましたが、水野さんはほんのちょっとだけ照れ笑いをしながら何事もなかったかのように平然としていました。参議院みんなの党の議席は増えましたが、ねじれは解消してしまいました。水野さんのこれから3年間はどうなる?
11時20分になると、岡田筆頭が一礼し、山崎議長と直接協議。一方、なぜか水野さんは事務総長と協議。
11時25分には、自民党の大家敏志(おおいえ・さとし)理事が先例録をもって岩城議運委員長の自席まで行き協議。11時45分過ぎには、民主党の水岡俊一筆頭理事がみんなの党に説明し、そのまま維新の会にも説明しようとしたところで、自民党の大家理事が維新の会に説明に行くというシーンもありました。
午後11時46分に議長が発言し、投票の結果を報告。投票総数243、名刺の数が240だとしました。「243」は定数を超えておりありえない数字。これについて、参議院規則第7条第2項は「但し、選挙の結果に異動を及ぼさないときは、この限りではない」とあるけれども、投票をやり直すと宣言しました。
私はこの一連の対応を高く評価したいところです。今までは、休憩して、議運理事会を開くことが多かったと思いますが、この日は、各党理事が交渉スペースで事務次長や議事部長らと協議し、規則を調べ、筆頭理事が議長と話し、自民党理事が自民党出身の議運委員長の自席まで説明に行った。そうやって各党議運理事の総意で、議長は「投票やり直し」というかなり重い決定をしました。これらがすべて「場内協議」で終わったということは評価します。
再投票では、名刺が1枚、投票用紙が1枚を証明するために、各議員は自主的に両手を同時に参事に差し出す「お手上げポーズ」で投票しました。ただ、やはりベテランは抵抗があるようで、自民党の溝手会長、中曽根議員、尾辻議員らは1枚ずつ渡しました。一方、公明党の山口代表や、民主党の北澤俊美さんや直島正行さんは新人同様にお手上げポーズで、わかりやすく投票し、好感が持てました。
集計の際も、事務次長は初めからポケットに電卓を入れておいて、集計にのぞみました。
この結果、投票総数238、輿石東君226票、無効1票、白票11票で輿石副議長が誕生しました。輿石副議長は登壇し、あいさつしましたが心なしか声が震えていました。
【衆議院本会議 2013年8月2日(金)】
臨時国会召集日、恒例の「日焼けチェック」をさせていただきました。
とにかく大阪系が日焼けしてました。維新の会は組織があまりないはずなので、議員が中心になって参院選を手伝ったであろうことが推測できました。ただ、他の党もやけており、たんに議席だけでなく、順位争いも熾烈だったのではないでしょうか。
一方、北海道や東京都の自民党政務三役はまっしろ。当選はしたけれども、自民党の地域での足腰はあまり厚くなったとはいえないのでは。あるいは政務三役は電話でしめつけたのでしょうか。もうそんな時代ではないでしょうが。ある複数区で楽勝した県連の女性衆院議員は「美白の女王か」と思うほど、白かったです。
自民党の中でも20歳代の衆院議員は真っ黒。おそらく県連のなかで、選対の重要な役割を与えられたので、遊説にかけずりまわったのでしょう。自民党も会社化しているのか。小泉青年局長も日焼けしていました。ただ、自民党は全般的に白かったです。第23回参院選で議員は増えたけれども、組織は対して強化されていないでしょう。
公明党は沖縄本部長の遠山清彦さんが真っ黒になっていました。
民主党では神奈川の後藤祐一さん、新潟の鷲尾英一郎さんら、千葉県の各議員らが日焼けしていて、参院複数区最下位当選のかげにこの人たちの力があったのだろうと感じました。最下位当選の方が、党の足腰は強いといえるでしょう。一方、昨年の秋の解散臨時国会召集日にもっとも日焼けしていて、その後、民主党1期生で2人だけ小選挙区勝ち抜けしたコンビは、ともに、地元に参院公認候補がいなかったため、白かったです。やはり、あいさつ回りも「メリハリ」ということになるでしょう。昨年末の衆院選の当選お礼参りは、すでに小選挙区は狭いので終わっているでしょう。すぐに解散になる状況でもありません。黄金の3年間、次の臨時国会まで2か月間空きそうです。炎天下を日常個別訪問することよりも、長期的視点で英気を養うことが大事でしょう。
国会法13条で衆議院の優越がある「会期の議決」では、社民党2名が反対しましたが、それ以外の各党の賛成多数で、
2013年8月2日(金)から8月7日(水)までの6日間と会期が決まりました。