【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

あす(5/12)予定、参議院自民党・法制局の改正公選法の条文番号ミス是正法案は、吉川沙織・小西洋之コンビが質問、衆・外務委では岡田克也さんが北方領土について質問

2021年05月11日 18時21分37秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]参議院法制局が入る参議院第二別館、6年前の2015年、宮崎信行撮影。

 参議院自民党が提出して成立した「平成30年改正公職選挙法」で、禁止規定と罰則規定の条文番号がずれていて、罰則がない「無法状態」ができていたことについて、平謝りの参議院自民党が「公選法改正案」(204参法28号、筆頭発議者・関口昌一会長)を提出。あす(5/12)午後3時から参議院政治倫理の確立及び選挙制度改革に関する特別委員会が開かれることになりました。

 この問題は、朝日新聞オンラインが初めに報じました。

 質疑も開かれ、参議院法制局長と、参議院自民党の議員が答弁に立ちます。あすの議運委で付託が決まれば、特別委で2時間40分程度質疑をすることで与野党が内定。

 このうち、立憲民主党会派に割り振る1時間は、吉川沙織さんが40分、小西洋之さんが20分担当することになりました。午後3時15分からの見通し。

 3期目の吉川さんは、総務省関係の会社の出身で、初当選以来ほとんど総務委員会に所属。2期目の小西洋之さんは総務省(郵政省)出身で、今国会で「放送法の外資規制に違反している企業がある」ことを指摘しました。

 答弁に立つ、参議院法制局長や、自民党議員はかなりてこずりそうです。

 質疑がすめば、採決もありそうです。

 但し、同改正法の歳費自主返納規定の執行状況については与野党とも率直で忌憚のない謙虚な質疑答弁を期待したいところです。

 衆議院外務委員会は一般質疑があり、午前10時35分から岡田克也元外相が北方領土について質問。

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【5/11】環境省最重要2法案の衆参審議入りも小泉環境大臣欠席、「廃プラ」福島1区金子恵美さん「削減」法案説明、デジタル庁あす成立

2021年05月11日 18時08分29秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[画像]対案の「廃プラスチック削減法案」の趣旨説明をする金子恵美衆議院議員、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 きょうは「5月11日」ですが、きのうこの早い段階で枝野代表に内閣不信任案を出すかどうかと記者が問い「現時点では出さない」。年一回のまつりのように扱うのはよくないかもしれませんが、そもそもこの時期に記者が質問することが異例なので、反応する参議院自民党幹事長らもそのことを念頭に置いてほしいと思います。9月就任の菅首相の「デジタル庁」があす成立。政策課題としてはあす以降は解散してもいい、ということになります。もちろん「2050年カーボンニュートラル」もありますが、意欲的に法案を執筆している環境省の目玉法案2本が衆参で審議入りする前日に、「虫垂炎で入院し手術した」と環境省が発表したと報じられました。

【参議院内閣委員会 きょう令和3年2021年5月11日(火)】

 デジタル庁法案が採決され、可決すべきだと決まりました。あす成立。

 重要広範議案ですので、首相入り質疑が1時間ありました。菅義偉首相にとっては2日連続の参議院第一委員会室で連休が明けました。但し野党は連日の厳しい指摘とはかわり「本会議や官僚レクのオンライン化はどうか」「デジタルによる経済格差がアメリカなどでも広がっている」といった指摘にとどまり、議論はほぼ尽くされ、採決できる段階に来ていることを感じさせました。平井デジタル相は答弁で「マイナンバーカードは最高位の身分証明書だ」というパワーワードを開発し、野党からも「大臣が最近よく言うようになったマイナンバーカードは最高位の身分証証明書だという言葉だが、利便性のみ強調している」とを指摘されましたが、平井さんは押し通しました。

 この後、一本ずつ採決されました。

 「デジタル社会形成基本法案」(204閣法26号衆修正)は立共反対、自公国維賛成多数で「衆議院修正通り可決すべきだ」と決まりました。

 「デジタル庁設置法案」(204閣法27号)は共のみ反対し、立憲民主党と自公国維が賛成して政府原案通り可決すべきだと決まりました。法律は9月1日施行されますので、同日に設置される運びが有力。

 「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」(204閣法28号)は立共反対、自公国維賛成多数で可決すべきだと決まりました。立憲民主党は個人情報保護法3本の一本化規定のほかに細かい規定について明確に答弁できなかったと批判しており、今後も問題視すると思われます。

 「公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案」(204閣法29号)は立共反対、自公国維賛成多数で可決すべし。

 「預貯金の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理に関する法律案」(204閣法30号)も立共反対、自公国維賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 なお、採決に前後し「5.11デジタル監視法の採決を許さない 国会前行動」が、共謀罪ノー実行委員会・秘密保護法廃止へ実行委員会・ノーデジタル庁実行委員会の共催で開かれました。

【参議院環境委員会 同日】

 菅内閣で留任した神奈川県連、小泉進次郎環境大臣は「おもてなし」の滝川クリステル前アナウンサーとの結婚後は、人気に陰りはありますが、首相に「2050年カーボンニュートラル」を政権の至上命題にさせ、官邸に環境省事務局の本部を初めて設けさせ、経産省相手に立ちまわるなど、自民党政治巧者としての影響力はさらに高まっています。

 きのう2021年5月10日(月)に小泉さんは虫垂炎で入院して当日手術をした、と環境省が発表した、と報じられました。

 きょうの委員会では元環境大臣の長浜博行委員長が「健康上の理由で委員会への出席が困難だ」と発表し、笹川博義副大臣に提案理由説明を依頼。笹川副大臣は「特別のご配慮をありがとうございます」として、「地球温暖化対策推進法改正案」(204閣法47号)の趣旨説明をしました。

【衆議院環境委員会 同日】

 上述の参・環境委に次ぐ重要法案だった「海洋マイクロプラスチック規制」も大臣不在での提案理由説明となりました。当初予定していた一般質疑はなく、会期内成立に影響が出る可能性も出てきましたが、もちろん、小泉さんには立場に関係なく、可能な限り療養していただきたい。

 笹川副大臣が「プラスチックに係る資源循環の促進に関する法律案」(204閣法61号)を説明。

 この後、立憲民主党で福島1区の金子恵美さんが対案である「プラスチック廃棄物の削減法案」(204衆法17号)を説明。金子さんは「プラスチックの資源循環よりも廃プラの削減。近い将来に、海の廃プラの総量が魚の総量を上回るという試算も出てきている」とし政府案と違い「産廃業者でなく市町村が主導して業者に拡大再生産責任を一部負担してもらう。使い捨てプラの抑制など、ライフスタイルの転換を求めたい」という趣旨の法案内容を明示しました。

 政府案、金子案への次回の審議の予定は未定。

【衆議院本会議 同日】

 衆議院本会議ではまず、松木けんこうさんが新議員として紹介されました。

 「第11次地方分権一括法案」(204閣法51号)は共反対、自公立維国の賛成多数で可決し、参議院に送られました。

 「日本とセルビア、ジョージアとの投資協定と租税協定の承認案」(204条約5乃至7号)は、共反対、自公立国維の賛成多数で承認されました。

 「日本国における、日本とOECDの特権・免除協定の改定の承認案」(204条約11号)は全会一致で承認されました。

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)は、共反対、自公立国維の賛成多数で、3年後見直し修正が可決し、参議院に送られました。

 「後期高齢者自己負担2割の健康保険法改正案」(204閣法21号)が立共反対、自公維国の賛成多数で可決し、参議院に送られました。施行日が令和4年10月から5年3月までの政令で定める日。与党内での公明の反論で半年間法案提出が先送りされていました。審議が続く中でようやく反対の世論が高まりましたが、広がりませんでした。

 与党内の公明の姿勢で提出が遅れた「重要施設及び国境離島における土地等の利用状況の調査及び利用の規制に関する法律案」(204閣法62号)が小此木八郎・領土相から趣旨説明され審議入りしました。自民党は「自衛官を10年をやった」中谷真一さんら質問し、小此木大臣や武田総務相らが答弁しました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 「特商法及び預託法改正案」(204閣法54号)と立憲・川内博史さんらが出した「対案・消契法など改正案」(204衆法15号)。連休前4月23日に審議入りしていました。きょうは両案の参考人質疑が行われ、弁護士らから「紆余曲折があったが、抜本的な改正案提出を評価したい」との声が出ました。野党は「書面の電子交付」を問題視しています。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律案」(204閣法45号)が共反対、自公立国維の賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 答弁は、4月1日の初代畜産局長になった水田正和局長が担当。水田局長は枝元事務次官と同期の昭和59年入省で、これまでに官房長と局長を歴任。畜産に関しては、岩手県庁で畜産課長、本省で畜産部が属する局の総務課長などもしていますが、それ以外に水産庁漁政部長、林野庁総務部長などもしていて、畜産畑以外の方が長いようです。きょうもおおむね自分で答弁していましたが、「畜舎の耐震基準」を聞かれたときには、後ろの人に教えてもらう場面もありました。


[画像]答弁する本田正和・初代畜産局長、きょうの参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 本田さんとは違いますが、競馬監督課も畜産局になりました。歴代の競馬監督課長を調べてみましたが、所掌する出入りは年1兆円規模ですが、競馬監督課長から局長などになった人は少ないようです。内閣法制局第四部参事官から農水省に帰った「天才人が競馬監督課長になったこともあるので、ある意味、微妙なポストのようです。

【参議院総務委員会 同日】

 「地方公共団体情報システム標準化法案」(204閣法31号)が共反対、自公立など賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 「立法爆発」のシンプル化を求める当サイトとしてこの法案を評価することを書きましたが、よく調べたら、前年度第3次補正で1500億円の基金がついているようです。国外郭団体が基金を使うかたちだと、かえってややこしくなりそうです。

【参議院経済産業委員会 同日】

 「特許法など知的財産法制の一括改正法案」(204閣法46号)が大臣から趣旨説明されました。

【参議院国土交通委員会 同日】
 「海事産業基盤強化のための改正法案」(204閣法24号)が大臣から趣旨説明されました。

【参議院法務委員会 同日】
「少年法・更生保護法・少年院法改正案」(204閣法35号)の参考人質疑。

【参議院厚生労働委員会 同日】
 午前中は集中審議。午後から「病床削減地域医療構想プログラムの医療法改正案」(204閣法17号)の審議があり、次回に持ち越しました。私も47歳となり、こういうプログラム法案も生活がかかっている知人が多くなってきましたが、いざというときは、自分が思ったままの意見を書きます。
 
●宮口治子新議員が属する参議院財政金融委員会と羽田次郎新議員が属する参議院外交防衛委員会の2つの委員会は偶然でしょうが開かれませんでした。
 
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