宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

菅義偉さん自民党総裁選出馬、22年前の「おれのしかばねを乗り越えていけ」

2020年09月02日 23時04分23秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]菅義偉さん、きょう2020年9月2日、衆議院議員会館内で、宮崎信行撮影。

 菅義偉さんは、きょう令和2年2020年9月2日(水)午後5時から、衆議院第二議員会館内で記者会見を開き、自民党総裁選に出馬することを表明しました。

 筆者・宮崎信行としては、かなり久しぶりに政府・与党の記者会見を取材しました。質問はできませんでしたが、午後5時40分過ぎの衆議院第一議員会館での記者会見の方にも行きました。


[写真]細田博之・細田派会長、きょう2020年9月2日、衆議院第一議員会館で、宮崎信行撮影。

[写真]竹下亘・竹下派会長、同上。

[写真]麻生太郎・麻生派会長、同上。

 先週金曜日午後2時過ぎの、安倍晋三首相辞意の後、月曜日朝までには、菅義偉・官房長官を後継とする流れができあがりました。これは、二階俊博会長率いる二階派と、石原伸晃派が支持を表明。岸田派、石破派は会長が出馬するのですから、菅さんを支持しないのは当然で、細田派、竹下派、麻生派が注目されました。ここで、麻生派の河野太郎さんが出馬取りやめを発表。麻生さんが菅さんを推すことで、最大派閥の細田派、第二派閥の竹下派の動向抜きに、菅さんの過半数が確実となりました。この構図は初めてだと思います。

 このため、午後5時からの菅さんの記者会見を見て、麻生さんが「会長一任をとりつけていたが、午後5時15分に菅さんを支持することを決めて、会員に伝達した」とうそぶいて、細田・竹下・麻生3派の支持記者会見を開きました。つまり、二階派と石原派をのけ者にして、菅総裁のもとでの幹事長人事で巻き返したい思惑が透けて見えます。

 父から世襲した細田さん、兄から世襲した竹下さん、父から間をおいて世襲した麻生さん。父が県議や他地域の議員とはいえ、非世襲の二階さん、石原さんが菅首相を実現しようとする中、世襲トリオが巻き返そうとする構図に見えました。



 10年強前に新しくなった議員会館の天井の高いオープンな雰囲気の部屋で、自民党3派閥領袖が共同記者会見を開くという、古いんだか、新しいんだかわからない自民党。

 私は22年前に、竹下派から2人の総裁候補が出た自民党本部4階「平河クラブ会見場」の共同記者会見に出席。このときに、梶山静六さんが小選挙区の時代になったから派閥ではなく自民党が変わらなければならないと主張し「おれのしかばねを乗り越えていけ」と語りました。当選できないことを悟った発言。このときに、竹下派を出たのが菅さんで、梶山さんとしんじゅうした唯一の議員とされました。ときはうつろい22年。小選挙区で無派閥で、首相の座にたどり着こうとする菅さん。それを、派閥会長らが共同記者会見でひっしに当選後の主導権を握ろうとする構図は、22年前のしかばねを乗り越えていく構図に、私には見えました。

 合流新党は枝野幸男さんが代表になるでしょう。党費年4000円を払ったから党員投票させろなどというけち臭いことを言うべきではありません。私は宰相の器そのものを、一般有権者が論じるのはあまりよくないと考えます。一度裏切り二度裏切る石破茂さんのような人間が党員票45%をとってしまうような公選はあまり好ましくないと考えます。

 小選挙区比例代表制で、自民党か合流新党のどちらが首相にふさわしいかを衆院選で決めるのが民主政治のあるべき姿だと考えています。選択肢が2つあるのが、自由。但し、国会議員にも生活があるので、二大政党間での党の移籍についてはもっと寛容であっていいと考えます。

 以上です。
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