宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

ザイム真理教に蝕まれた「赤馬鹿」無知の涙「暫定2年の平等に年2万円減税の基礎控除」提案、自公維政調終結で火曜日に執行役員会で判断へ

2025年02月21日 21時17分52秒 | 第217通常会 2025年1月召集
 [写真]公明党案の説明をしながら苦悶の表情を見せた赤羽一嘉・公明党税調会長、きょう2025年2月21日(金)宮崎信行撮影。

 珍しい衆・予算委のみの金曜日となり、テレビ入りでパネル持ちで登場した立憲の1期生も、同党の質疑が終わった午後2時半には先輩に再度差し替わってもらって地元へと帰り、閑散としていました。

 自公維は、高校授業料無償化と社会保険料に関する政調会長会談を断続的に開き、午後4時半に終結宣言がなされました。3連休明けの火曜日25日に維新の執行役員会に諮られます。

 自公立は、政調会長会談の2回目に「基金の減額フレームの各府省庁の考え方」の紙が渡された火曜日以降、「与党の考え」を求める立憲に反応がないまま第3回は決まっていません。私は半年ぶりに立憲民主党の記者会見に出席しましたが、野田佳彦代表は「それぞれの政党間協をしていたから、頭がいっぱいなのかと慮っていてはいけないが、しっかりやってほしい」と語り「修正はまだ諦めていない」と述べました。

 自公国は、ことし3回目の税調会長会談を開き、公明党案が示されました。基礎・給与所得控除を103万円の壁から123万円の壁に引き上げる改正条項は、「所得税法改正案」(217閣法1号)に既に盛り込まれており、3連休明け火曜日も午前9時から午後5時まで法案審査します。このため、自公国は今夜、火曜日の午前8時半から30分間協議することになりました。

 3党協議では、内閣・衆参の法制局が陪席することが多いのですが、自公国はザイム真理教こと財務省高級官僚が同席しています。午後5時45分からの協議には、宮澤洋一さんが午後5時23分に入室し、財務官僚と打ち合わせていたようです。その後、公明党は竹内税調副会長が財務官僚を従えて、登場。赤羽一嘉税調会長には党政調職員だけでした。そして、午後5時41分に、古川元久さんと浜口誠さんが入室しました。ですから、自民党、公明党、自公国にそれぞれ財務官僚が張り付いていたことになります。そして、赤羽税調会長が「(案)」と題した公明党案2枚紙を配りました。この内容はひどい。

 公明案は、年収200万円以下の基礎・給与所得控除は年160万円で恒久。そして、200万円から850万円を3段階に分けて、131万円から153万円まで、2年間暫定の控除引き上げをするとしました。これはどういうことかというと、200万円から850万円までは、年2万円の減税になるという「減税額の平等」を2年間だけ暫定にするという話です。増税の暫定は半世紀以上続き、減税の暫定は2年で終わるのがザイム真理教のやり方です。

[写真]謎の爆笑をする赤羽一嘉・公明党税調会長、火曜日(2025年2月18日)、宮崎信行撮影。

[写真]公明党案を苦悶の表情で説明する赤羽一嘉・税調会長、きょう(2025年2月21日)、宮崎信行撮影。

 公明党税調会長は北側一雄さんが引退し、西田まことさんが幹事長昇格にともない税調顧問となりました。3党協議の枠組みでは、10回当選の重鎮の赤羽・新税調会長が出ざるを得ないのですが、ちんぷんかんぷんだと考えれます。そのため、頭取りで謎の爆笑をした赤羽さんですが、きょうの案がザイム真理教が決裂に持ち込む(123万円への引き上げは審議中の法案にあるため確実)ために、利用されていることに気づいてすらいないようです。赤羽さんは国土交通大臣の時に、一部部下が「赤馬鹿大臣」と呼ぶ言語道断の行為がありましたが、きょう私もこんな政治家が2年1ヶ月も海上保安庁のトップだったのかと薄ら寒く感じました。

 司馬遼太郎さんは、日露戦争では「グランドデザイン」ができる中堅官僚がいたのに、日露戦勝直後の日比谷焼き討ち事件から日本は転落したとしています。踏み抜いたのが、「坂の上の雲」であり、その名は全く美称ではありません。グランドデザインなく、複雑化で所得税法の法文を汚くするなと警告します。我々納税者は、財務官僚と違って、暇ではありません。


[写真]自公維政調会長会談が終結したと宣言する小野寺、岡本、青柳各政調会長ら、きょう2025年2月21日、宮崎信行撮影。


[写真]記者会見する野田佳彦・立憲民主党代表、きょう2025年2月21日、宮崎信行撮影。


[写真]自公国税調会長会談にのぞむ宮澤、古川税調会長ら、きょう2025年2月21日、宮崎信行撮影。

【衆議院予算委員会 きょう令和7年2025年2月21日(金)】
 「令和7年度予算案」は14日目で集中審議2本目「経済、財政等」。
 首相は自公維の連立は、予算審議中の現在はないとしました。
 酒井なつみさんは高額療養費に関して質問しました。
 藤岡隆雄さんは、ミャンマーで、特殊詐欺のための要塞に1万人が拉致されている問題について問い、外務省はタイ政府によると日本人7人が保護・拉致され、高校生を含んだ20名程度が監禁されている可能性を示唆しました。タイで各国大使たちが協議中のようです。なお、2期の藤岡さんも「きのうの質疑で同僚の本庄知史さんが質問しましたが」とし、外務大臣政務秘書官を12ヶ月、行政刷新担当大臣政務秘書官を11ヶ月つとめた2期の本庄さんの名を、外務、基金両場面で挙げる同僚議員が目立っています。3連休明け火曜日は中央公聴会。

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