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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

そらちフットパスウォーク 2 由仁町 後編

2012-11-03 23:06:06 | フットパスウォーク & トレッキング
風薫る田園の丘コース

 「学校が無くなってねぇ…、寂しくなったよ」道端で会った老婆が寂しそうに呟いた。学校が無くなったわけではない。移転したのだ。しかし、その老婆の呟きは由仁町の姿を物語るかのようだった…。

 体験農園のセンターハウスでお腹を満たした私は再びウォークを開始した。
 人っ子一人通らない田舎道を往く。風が出てきて肌寒さを感じたので、ウインドブレーカーを羽織った。

 今回の由仁町のフットパスコースは全て舗装された農道だった。フットパスコースとしては舗装されていないような道もあった方が相応しいと思うのだが、その点では少し物足りないコースとも云える。
 野山の紅葉はかなり進んでいた。

          
          ※ コース上は写真のような光景が延々と続いていた。

 市街地から丘の上をぐるっと一周して市街地近くに戻ってきた。国道と交差するところに面白い名前の川がある。「ヤリキレナイ川」という。アイヌ語で魚の棲まない川を意味する「ヤンケナイ川・イヤルキナイ川」に由来し、明治時代、大雨のたびに氾濫し悩まされた人々が「ヤリキレナイ」と呼び始めたことから命名された名前だということだ。

          

          
          ※ 由仁町の市街地を流れるヤリキレナイ川です。河岸工事が始まっていました。          

 コースは市街地には戻らず大きく迂回し、通称「ジェットコースターの道」と呼ばれる一直線に伸びたアップダウンの激しい約2Kmの道が待っていた。
 上り道を歩いているとまた体が暑さを感じてきたのでウインドブレーカーを脱いだ。今の時期は小まめに体温調節をすることが大切のように思ったからだ。

          
          ※ アップダウンが激しい一直線に伸びたジェットコースターの道です。

          
          ※ 途中の森の中を見ると、淡く色付いた木々の葉がとてもきれいに見えました。

 ジェットコースターの道を歩いていると、大豆がまだ刈り取りされずに畑にあったのを見て不思議に思った。もう11月である。以前なら今頃は刈り取られ豆類は小山のように積まれて乾燥していたはずである。詳しくは分からないが、今は農業機械で一気に豆の殻を破り、殻と豆を選り分けてしまうため、この時期まで手を付けられずにいるのかもしれない。

          
          ※ こうして大豆がまだ刈り取られずにありました。

          
          ※ ジェットコースターの道の途中から望めた由仁町の市街地です。

 何度かのアップダウンを繰り返しジェットコースターの道を終えると、あとは市街地へ向かっての下り道である。
 何軒かの果樹園が沿道に直売店を出していた。ちょうどリンゴの収穫作業している様子を見ることができた。

          
 ※ 本文では触れませんでしたが、途中で目にした石碑です。一帯は山形県から入植した人たちの農地が広がり「山形」という地名になっているようです。山形からの入植の記念碑でした。

          
          ※ ご夫婦二人で仲良く収穫作業を行っていました。

 そうした一角に「優良田園」という看板が見え、何軒かの真新しい住宅が建っていた。後ほど調べてみると、離農者が農地を離すことによって荒れ地となることを防ぐため、町などが中心となって宅地として整備して「優良田園住宅」として売り出しているところだそうだ。

          
          ※ 写真のような新しい住宅が数件建っていました。

 市街地へ戻ってきて、マップによると最初の目印は由仁小学校だった。道端に老婆が立っていたので「この先に小学校がありますね」と聴いたところ、リード文で紹介したように「学校が無くなってねぇ…、寂しくなったよ」と言う。不思議に思って詳しく聴いてみると、つい最近まであったのだけれどどこかへ移転したらしい、とのことだった。
 なるほど学校はガランとしていて人気は感じられなかった。校門などを見ると、かなり歴史のある学校のようで、建物もまだまだ堅牢のように思われた…。

          
          ※ なかなか由緒ある学校の正面です。奥の建物もまだまだ立派でした。

 START & GOALのあるJR由仁駅に戻ってきた。駅前には「まるやま食堂」がある。この食堂は「逆バーガー」という面白いバーガーを販売しているというので、興味半分に購入してみることにした。

          
          ※ ゴール地点のJR由仁駅横にある「まるやま食堂」です。

 そこの女主人に小学校のことを聴いてみた。すると、「由仁商業高校が廃校になった後に由仁中学校が移転して、その中学校跡にこの9月に小学校が移転した」ということだった。
 「まだまだ立派な校舎のように思いましたが…」と私が言うと、「今問題になっている耐震化工事がなされていないことが原因と聴いています」ということだった。

 昨日の投稿で私は由仁町に入ったときに「寂しい」と感じたと記した。由仁町に関係する方々には申し訳ないと思うが、感じたままを素直に表現させてもらった。というのも、隣町の栗山町を訪れたときとは第一印象があまりにも違うことがそうした表現になってしまった。
 そして、その思いは残念ながらウォーク中ずーっと変わらなかった。
 関係者はきっと懸命に町の振興策に腐心されていることと思われる。少子化、そして過疎化の波は止みそうもなく、現実は厳しいと思われるが、小さくてもどこかがピカリと輝く街づくりを目ざしてほしいものだと思った。
 そして私のように通り過ぎる者に何と思われようとも、住んでいる人々が幸せを感じられる街づくりを目ざしてほしいと願ったのだった。

 ところで「逆バーガー」(販価500円)であるが、名前のとおりハンバーグでパンと輪切りのタマネギを挟んだものだった。廃校になってしまったという由仁商業高校の生徒さんたちが開発したというドレッシングが良くマッチしていてなかなか美味しいバーガーだったことを強調しておきたい。お勧めです!逆バーガー!!

          
          ※ 写真写りは良くありませんが、なかなか美味しかった「逆バーガー」です。

《フットパスウォーク実施日 ’12/10/31 距離約9.8㎞》