「北海道の食と農を考える」緊急シンポジウムと銘打って、北海道内の錚々たる顔ぶれが揃って登壇し意見交換がなされた。しかし、錚々たる顔ぶれゆえか?予定調和的な議論に終始したようにも感じられた…。
このところ講座・講演会を受講したレポートばかり続いている。面白味に欠けるきらいがあるがご容赦いただきたい。これもこの季節ゆえの特徴なのだろうか?(最近の私はアウトドアでの活動が極端に少なくなってしまった…)
※ 基調講演をした近藤龍夫氏です
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11月14日(水)午後、日本経済新聞社札幌支社開設50周年記念と銘打ってのシンポジウムが札幌パークホテル(中央区南10西3)で開催されたので受講した。
錚々たる顔ぶれと表現したが、その登壇者たちは・・・
◇北海道経済連合会会長 近藤 龍夫 氏
◇北海道農業協同組合中央会会長 飛田 稔章 氏
◇北洋銀行会長 横内 龍三 氏
◇伊藤忠商事北海道支社長 高杉 豪 氏
◇慶応大学大学院特任教授 林 美香子 氏
という顔ぶれだった。
※ パネラーを務めた飛田稔章氏です。
シンポジウムは2部構成となっていて、第1部の基調講演を「我が国と北海道の農業・食産業」と題して近藤龍夫氏が講演された。続いて第2部のパネルディスカッションは林氏をコーディネーターに3氏が所見を述べ合うというものだった。
※ パネラーを務めた横内龍三氏です。
近藤氏はパワーポイントで非常にたくさんの資料を提示してくれたが、短い時間内での提示はかえって理解を難しくしてしまった感があった。
話の筋は、北海道(日本)の農業がおかれている厳しい実態を指摘しながら、我が国の食料自給率を一定程度維持するために政治の力が必要であるとした。そのためには国民の応分の負担も必要と指摘した。
TPPについては日本経済の発展のために重要であるとしつつ、農業関連には必要な対策を講じる必要があるとした。
※ パネラーを務めた高杉豪氏です。
続いて行われたパネルディスカッションは、冒頭にも触れたとおりどの方のお話もどこかで一度聞いたことがあるような話が多く、予定調和的な感じが拭えなかった。
そう感じさせたのは、コーディネーターの林氏が発言のテーマを次々と提示し、それにパネラーが答えるという繰り返しで、パネラー同士の発言の交流が一度もなかったために、シナリオ通りに進行したという感じが拭えなかった。
・北海道農業の可能性 ・第6次産業化の振興 ・海外市場を含めた販売ルートの開拓の必要性 ・後継者対策の緊急性 ・TPP問題について
ということについて、各氏が総花的に意見を開陳し合ったといった感じであった。
※ コーディネーターを務めた林美香子氏です。
残念ながらハッとするような提案や角度を変えた考え方などを伺うことはできなかったように思う。錚々たるメンバーが一堂に会しても名案が浮かばないところに現在の北海道(日本)農業が抱える深刻さが浮き彫りにされているよう思われた。
「どこへ行く北海道(日本)農業?」などと呑気なことを言ってはいられないのだが…。