田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「札幌遠友塾」自主夜間中学 参観

2012-11-21 23:36:04 | 札幌(圏)探訪
 多くの高齢者の中に若者の姿も…。授業は多くのスタッフの支援を受けながらも和気あいあいに進められていた。知る喜びを知った意欲的な夜間中学生の姿がそこにあった…。 

 「札幌遠友塾 自主夜間中学」が札幌市立向陵中学校(中央区北4西28)を会場に開講されていることは比較的早くから知っていた。しかし、その様子を知るチャンスはなかなかなかった。
 私が所属する某団体の来年度の研修事業として「札幌遠友塾の実状を理解する」という企画はどうだろう?と考えた私は、関係者に尋ねるべく開講日(毎週水曜日の夜間)である今夜(11月21日)向陵中学校を訪れた。

     

 予め関係者に連絡していたこともあり、スムーズに遠友塾の運営組織の代表、事務局長の方がお会いしてくれ、趣旨も理解いただき、来年の研修会の実現に向けて前向きの回答をいただいた。今後は私と事務局長の間で実現に向けて細かな打ち合わせをしていくこととなった。

 そして遠友塾の指導スタッフに私の知り合いの方がいたこともあり、授業風景を参観していくことにした。私は1年生の授業を中心に参観することにした。(クラス分けは1年生、2年生、3年生、と「じっくりクラス」の4クラスに約80名が学んでいるそうだ)

 Ⅰ年生のクラスに板書されていた時程は次のようになっていた。
 ◇18時10分 ~      はじめの会(全体集会)
 ◇18時20分 ~ 19時10分  国  語
 ◇19時20分 ~ 20時10分  数  学
 ◇20時10分 ~       H  R(忘年会練習)

 1年生は今年4月に入学した人たちである。この日は13名の方が出席していた。それに対して指導スタッフの方が12名いてバックアップ体制は万全である。
 最初は国語の授業だ。授業内容は漢和辞典の引き方だった。
 ふだん漢和辞典など手にすることのない人たちが大半ではないかと思うが、分厚い辞典を繰りながら懸命に言葉を探していた。苦戦する人には指導スタッフが駆け寄って丁寧に教えていた。言葉が見つかったときのホッとした表情が印象的だった。

     

 2時間目は数学である。主任指導者は私の友人だった。
 授業内容は3ケタ同士の掛け算だった。あるいは難しいのでは?とも思われたが、数の計算は職場や日常生活で使用することも多いためか意外にスムーズに解けている方が多かったようだ。
 私が座った前の席にいたおそらく70を超えたと思われる男性は例題に出された4つの問題に意欲的に取り組んでいた。スタッフの点検によると4問のうち正当は2問だったようだが、表情を窺うと嬉々として取り組んでいる様子だった。

     

 友人から少しだけ話を聞いた。
 若い人は不登校のまま卒業証書だけを受け取ったが、しっかりと学び直したいと入学してきたそうだ。一方、お年寄りたちは学齢期に学校に行くことができなかった人たちが多いとのことだった。中には室蘭から通学している人もいるとか…。
 
 友人によると自主運営の内情はなかなか大変とのことだったが、ボランティア精神あふれるスタッフの熱意と、学びに意欲的な生徒たちの気持ちが相乗効果を発揮して良い雰囲気を醸し出しているなと思われた。そうした実態を参観する機会を得て、教室に灯る光が何よりも温かく感ずるのだった。
 来年の研修会で、そのスタッフの方とそこに学ぶ人のお話を伺いたいと思っている。

※ 数枚の写真を撮ったのだが、後から塾の案内パンフを見るとカメラ撮影はNGと出ていた。そこで、本日の写真は遠友塾のホームページから拝借することにした。