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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 44 羊蹄山 “苦闘”登山記 前編

2014-09-01 22:36:22 | 北海道低山紀行 & Other
 タイトルにあえて“苦闘”と付けねばならないところに私の悔しさがある。喘ぎに喘ぎ、耐えに耐えた12時間だった。憧れの羊蹄山はその華麗な姿に似合わず、体力の衰えた私を容赦なく痛めつけてくれた…。 

 言い訳はすまい。
 若干の言い訳をしたい気持ちもあるが、それは封印し、素直に自分の体力の衰えを認めたい。
 それにしても同行してくれた息子は、父親の体力の衰えを実感したに違いない。しかし、それも現実だということを彼が認識してくれたこことも是としたい。
 あゝ、つまらない書き出しになった…。

          
          ※ 登山前日に倶知安側から見た羊蹄山です。

 さて、順を追って悔しさだけが残った羊蹄山登山を振り返ってみたい。
 前日、21日夕方、雲一つない羊蹄山を眺めながら、真狩のユースホテル(YH)に向かった。YHなど記憶を辿れば高校時代以来の利用(いや学生時代のヨーロッパの旅ではYHに宿泊するのが主だったが)かもしれない。
 その頃は規則も厳しく、シーツは封筒形のシーツだったことが思い出された。
 ところが、現代のYHは部屋に二段ベッドが置かれているところは似ていたが、お酒は自由に飲めるし、シーツも普通のものだった。
 YHには私たちの他に、やはり翌日羊蹄山登山を予定している仙台から来た中高年の6人グルーブが宿泊しているだけだった。

          
          ※ ごく普通の住宅と見紛うようなユースホステルの建物です。玄関にYHのマークが見えます。

 
 眠れぬ朝を迎えて5時に起床すると、YHの窓からは羊蹄山の頂上付近が雲にすっぽりと覆われていた。急いで支度を整え、YHで作ってもらったおにぎりをザックに詰め、5時30分、登山口の駐車場に着いた。すでにかなりの車が駐車していた。
 周辺はキャンプ場やアウトドア施設が整っていて周辺住民の憩いの場となっているようだ。

          
          ※ 登山当日の朝、ユースホステルの窓から見た雲を抱いた羊蹄山です。

          
          ※ 登山口の駐車場から見た羊蹄山も雲に覆われていました。

 5時40分、いよいよ登山開始である。
 するといきなりの急斜面が現れた。「いきなり急斜面かよ!」と思わず呟く私だった。
 それからは裾野特有の緩やかな斜面が現れたと思うと、急な階段状の上りが現れるなど、徐々に、徐々に高度を上げていった。
 羊蹄山の登山路の特徴は、これまでの私のささやかな経験からすると、円錐形の成層火山であり、独立峰だからと思われるのだが、裾野からずーっと休みなく高度を上げていく登山路だったことだ。                   

 実はこの登山の前、息子が私の誕生日に高度計・気圧計・温度計・方位計などを備えた時計をプレゼントしてくれていた。
 今回初めてその高度計付き時計をはめての登山となった。高度計はけっして精密なものではなく、多少の誤差はあるものの目安にはなるようだ。そこで各合目毎に高度をメモしたところ、確実に高度を増す羊蹄山の特徴が表示された。次のとおりである。お分かりと思うが、高度の後の表記は到達した時間を表します。

 ◇登山口  349m  5:40
          

          
          ※ 登山口直後に現れた急斜面の岩場です。

          
 ◇1合目  483m  6:03
          

       
 ◇2合目  632m  6:25  ※ 5分休憩
          

 ◇3合目  741m  6:56
          

 ◇4合目  924m  7:25  ※ 15分休憩
          

 ◇5合目 1119m  8:11
          

 この合目がどのように刻まれているのか、自分はよく理解していないが、おそらく全行程の距離を10で割っているのだと思われる。そうしてみると、3合目あたりからややペースダウンしていることが分かる。
 事実、私は早くも2合目を過ぎたあたりから体の重さを感じ始めていた。
 それと呼応するように登山路の険しさも増していった。
 4合目で15分も休憩したのは、私の中にかなりの疲労が蓄積していたことを表している。
 5合目を迎えたとき、私はすでに肩で息をし、ペースはさらに落ちていた。まだ高度を700m以上も稼がねばならないのに…。
(前編はここまでにします)

          
          ※ 3合目が近づいたあたりで下方に真狩の集落が樹間から見え暮れしだしました。