IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)、つまり気候変動に関する政府間パネルの第5次報告書の第一作業部会の報告書が9月に発表されたことを受けて、報告書の作成に加わった方も含めて、6人の講師による講座があった。素人には難しいだろうと思いつつ受講したのだが、予想どおり難解な講座だった。

北大大学院地球環境科学研究院が主催する公開講座「IPCC第5次評価報告書を読み解く」と題する講座が、8月30日から9月24日まで6回にわたって夕刻に開講された。
あまりにも専門的な内容が予想されたので受講することにしり込みしたのだが、友人が受講するということで一緒することにした。
しかし、予想どおり私には難解な内容が多い講座だった。
各回の講座名と講師を紹介すると、
◆第1回(8/20)「地球温暖化序論」
北大大学院地球環境科学研究院 教授 長谷部 文雄 氏
◆第2回(8/27)「人間活動に伴って排出されCO2の行方」
北大大学院地球環境科学研究院 教授 山中 康裕 氏
◆第3回(9/03)「地球温暖化は海の温暖化」
北大低温科学研究所 准教授 青木 茂 氏
◆第4回(9/10)「地球温暖化を気候モデルで予測する」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 吉森 正和 氏
◆第5回(9/17)「地球温暖化による日本、北海道への影響」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 佐藤 友徳 氏
◆第6回(9/24)「ジオエンジニアリング:新しい温暖化対策?」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 藤原 正智 氏
といったラインナップだったが、興味のある方には「おーっ」という内容かもしれないが、興味のない方、あるいは文科系の人には頭が痛くなるようなラインナップかもしれない。
私はどちらかというと後者の部類に入る方だが、せっかくの機会なので居眠りだけはすまいと懸命に耳を傾けた。
6回の総計540分間の内容をレポートすることはとても困難だが、私が理解し得たところの概要をレポートすることにする。
IPCCは気候変動に関する実際の研究を行うものではなく、研究者が発表したことを評価したり、まとめたりすることにより、世界あるいは各国の政策決定に寄与することがその目的である。
第一次報告書を1990年に最初の報告書をまとめて以来、地球の温暖化は止むことなく漸進していると第5次報告書は述べているという。
そしてこのまま二酸化炭素の排出が続くと、21世紀末には最大4.5℃の気温上昇が見込まれるとの発表が新聞紙上を賑わしたことは記憶に新しいところである。
講座はその気温上昇の原因が科学的には複雑なメカニズムが絡み合っているというあたりから話が難しくなっていった。
特に京都議定書の取り決めが絵に描いた餅に帰してしまったように、各国間の思惑が入り混じり、将来予測の難しさが増しているようである。
ともかく科学的知見からは観測上間違いなく地球温暖化は漸進しているが、世界はその傾向に有効な手立てを打てていない現状にある、ということが言えそうである。
講座の最後にジオエンジニアリングについての講座があったが、これは人工的に気候を制御しようとするさまざまな技術の紹介だった。地球の自然を人間が制御するということは究極の自然支配である。現時点では研究段階であり、自然における実験も許されていないということだったが、そうしたことが仮に真剣に検討されるような事態が起こる前に人間の智慧で問題解決を図る術を見出してほしいものである。

北大大学院地球環境科学研究院が主催する公開講座「IPCC第5次評価報告書を読み解く」と題する講座が、8月30日から9月24日まで6回にわたって夕刻に開講された。
あまりにも専門的な内容が予想されたので受講することにしり込みしたのだが、友人が受講するということで一緒することにした。
しかし、予想どおり私には難解な内容が多い講座だった。
各回の講座名と講師を紹介すると、
◆第1回(8/20)「地球温暖化序論」
北大大学院地球環境科学研究院 教授 長谷部 文雄 氏
◆第2回(8/27)「人間活動に伴って排出されCO2の行方」
北大大学院地球環境科学研究院 教授 山中 康裕 氏
◆第3回(9/03)「地球温暖化は海の温暖化」
北大低温科学研究所 准教授 青木 茂 氏
◆第4回(9/10)「地球温暖化を気候モデルで予測する」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 吉森 正和 氏
◆第5回(9/17)「地球温暖化による日本、北海道への影響」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 佐藤 友徳 氏
◆第6回(9/24)「ジオエンジニアリング:新しい温暖化対策?」
北大大学院地球環境科学研究院 准教授 藤原 正智 氏
といったラインナップだったが、興味のある方には「おーっ」という内容かもしれないが、興味のない方、あるいは文科系の人には頭が痛くなるようなラインナップかもしれない。
私はどちらかというと後者の部類に入る方だが、せっかくの機会なので居眠りだけはすまいと懸命に耳を傾けた。
6回の総計540分間の内容をレポートすることはとても困難だが、私が理解し得たところの概要をレポートすることにする。
IPCCは気候変動に関する実際の研究を行うものではなく、研究者が発表したことを評価したり、まとめたりすることにより、世界あるいは各国の政策決定に寄与することがその目的である。
第一次報告書を1990年に最初の報告書をまとめて以来、地球の温暖化は止むことなく漸進していると第5次報告書は述べているという。
そしてこのまま二酸化炭素の排出が続くと、21世紀末には最大4.5℃の気温上昇が見込まれるとの発表が新聞紙上を賑わしたことは記憶に新しいところである。
講座はその気温上昇の原因が科学的には複雑なメカニズムが絡み合っているというあたりから話が難しくなっていった。
特に京都議定書の取り決めが絵に描いた餅に帰してしまったように、各国間の思惑が入り混じり、将来予測の難しさが増しているようである。
ともかく科学的知見からは観測上間違いなく地球温暖化は漸進しているが、世界はその傾向に有効な手立てを打てていない現状にある、ということが言えそうである。
講座の最後にジオエンジニアリングについての講座があったが、これは人工的に気候を制御しようとするさまざまな技術の紹介だった。地球の自然を人間が制御するということは究極の自然支配である。現時点では研究段階であり、自然における実験も許されていないということだったが、そうしたことが仮に真剣に検討されるような事態が起こる前に人間の智慧で問題解決を図る術を見出してほしいものである。