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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

冬の石狩川河岸を遡る 6 後編

2015-03-04 16:08:07 | 冬の石狩川河岸遡行スノーシュートレッキング

たっぷ大橋 ~ 月形大橋 トレッキング月日 ’15/03/01

 
 河岸を往くスノーシュートレッキングではめったに人に出会うことはない。それがこの日、珍しく人に出会った。また、石狩川を遮断するような大きな造営物も目にした。順調なトレッキングだったが、結局この日、私は自分が設定したゴールに辿り着くことはできなかった…。 

          
    ※ 雪融けが進んでいることを象徴する写真である。陽射しで温められた木の枝が雪の中に沈んでいる図です。

 広々としたグライダー滑空場を過ぎると、再び雑木林の中に導かれた。
 木々の間を縫うように進むトレッキングは変わらない。石狩川の様子も変わらない。
 そこにまた樋門が待っていた。樋門に続く掘割は渡ることができないので、当然巻かなければならない。堤防に出ると、その樋門には「昭栄樋門」という表示がかかっていた。

          
          ※ 石狩川はこの日一日まったく表情が変わらず、穏やかな流れでした。

          
          ※ 雑木林の中に現れる自然にできた掘割の中にはこうして水面を見せるものもありました。

          
          ※ 「昭栄樋門」です。その向こうに石狩川があります。

 この時、時計は9時55分。樋門のところで腰かけて一休みしていると、遠くに人が見えた。初め春の農作業を前にして畑を見に来たのかな?と思っていたが、どうも様子が違う。
 だんだん近づいてくると、彼が猟銃を担いでいるのが分かった。

          
          ※ 月形町猟友会の方たちはキツネの駆除を行っていました。

 彼はどんどん近づいてきたので、話しかけた。「何を狙っているんですか?」と…。すると「キツネだ」という。「けっこう、獲れるのですか?」と伺うと「う~ん」という答えだったので、それほどではないらしい。
 話をしていると他にも同じようにオレンジ色のベストを着た人が3人ほど姿を現した。聞くと月形町猟友会の方々だという。毎日曜日に付近に棲むキツネの駆除をしているという。キツネのエキノコックス被害の調査に協力しているとのことだった。

 彼らと別れた直後だった。林間に一匹のキツネを発見した!
 キツネは私を見て、ジーッと動かない。バカチョンカメラのズームをいっぱいにひきシャッターを切った。帰宅して確かめたらなんとかキツネを捉えていたのは幸運だった。

          
          ※ ちょっとボケていまが、写真中央にいるのがキタキツネです。

 雑木林の中を往くと、遠くに石狩川を跨ぐように大きな造営物が見えてきた。
 「石狩川頭首工」というようだ。“頭首工”とは、河川などから,用水を取入れる農業水利施設の総称で、おもに取水堰と取入れ口(取水口) からできているという。私に見えていたのは、その取水堰の方だった。

          
          ※ 石狩川頭首工の取水堰の遠望です。

 その頭首工が目の前に近づいてきたときだった。石狩川の岸近くに漁獲のためのワナのようなものがたくさん置いてあるのが目に入った。いったい何のワナだろう?
 帰宅してから問い合わせたところ、どうやら石狩川に棲息しているヤツメウナギを捕獲するための〔網ドウ〕と呼ばれるもののようである。

          
          ※ 石狩川に棲息するヤツメウナギを捕獲する網ドウがたくさん吊るしてありました。

 そして頭首工の取水堰に到達した。その時、時間は11時20分だった。
 傍で見る取水堰は辺りを睥睨するほどの威圧感を感じさせた。石狩川を完全に遮断しているので、よく見てみるとしっかり魚道も造られていた。この頭首工は、新篠津村を貫く「篠津運河」と繋がっていて、新篠津の豊かな水田地帯に農業用水を供給しているようだ。

          
          ※ 近くで見る石狩川頭首工の取水堰です。手前には魚道が造られていました。

 頭首工を過ぎると、再び雑木林のトレッキングが続いた。
 左脚の付け根あたりに痛みが出てきたが、ゴールがそれほど遠くないこともあって心配はしなかった。
 そうしているうちに、またまた樋門が現れた。こうした樋門を迂回していくには2~300メートル迂回しなくてはならない。堤防まで戻って樋門名を確認すると「農事会樋門」と表示されていた。この時が11時42分だった。かなりゴールが近いことを感じた。

          
          ※ この日最後に見た「農事会樋門」です。流れは浅いようでしたが…。

 そこから15分ほど歩くと月形町内を流れ、石狩川に注ぐ「須部都川」とぶつかった。
 流れとしては小さな川だが、とても渡れるような川ではない。月形町の市街まで橋は架かっていない。川のすぐ向こうにはこの日のゴールに設定していた「月形大橋」が見えているのだが…。
 川を迂回するには2キロほど須部都川を遡らなければならなかった。時間はちょうど12時だったが、月形駅からのJRが13時48分発だったこともあって、「月形大橋」まで行くのを断念し、この日のゴールを須部都川に架かる「柳橋」のたもとに変更した。

          
          ※ 私の前進を拒まれた「須部都川」の流れです。とても渡ることはできません。

          
          ※ 須部都川が石狩川に注ぐ河口のところです。

          
          ※ 須部都川の直ぐ向こうにはゴール予定だった月形大橋が見えていたのですが…。

 須部都川河畔の林の中で昼食を摂り、「柳橋」のたもとでスノーシューを脱いだのは12時50分だった。
 スノーシューでの行動時間約7時間。その間の歩数29,550歩。距離にして約18.5キロの行程だった。

          
          ※ この日のゴールとした須部都川に架かる「柳橋」のたもとです。

 この日は、度々触れていたように石狩川は終始穏やかな表情をしていた一日だった。また、雪の状態はスノーシューには最高と云って良いくらい固く締まった雪だった。(それはスノーシューで雪の中を往く醍醐味に欠けるきらいもあったのだが…)
 私のアバウトな計画では、月形発16時29分のJRを利用するつもりだったが、思っていたより順調なスノーシュートレッキングだったようだ。
 自宅に帰り着いたのは午後3時半過ぎ、疲労困憊ということはなく、ちょっと大きな雪遊びを終えた充足感が私を充たしていた。

          
          ※ JR石狩月形駅です。この日は卒業式だったため月形高校の生徒がたくさん乗車しました。

 さあ、今シーズンも残り少ない。できれば途中飛ばしてしまうことになった〔川下集落~たっぷ大橋〕間を今シーズン中に完成させたいと思っている。スケジュールと天気予報を睨みながら実施の日を見つけたい。