田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

“共助”社会とは?

2015-03-23 23:44:04 | 講演・講義・フォーラム等
 「共助」とは、文字どおり互いに助け合い、支え合うことであろう。ところがどうも札幌青年会議所が言う「共助」とは、私が思い描く共助とは少し距離を感じさせるものだったのだが…。 

          
          ※ 会場のかでるホールです。木村氏の講演の様子です。

 3月18日(水)夜、かでるホール(中央区北2西7)において、札幌青年会議所の「共助社会確立」例会なるものが開催され、一般公募されていたので講師に興味を覚え参加した。

 基調講演の講師は、小樽市役所から内閣府企画官(地域活性化担当)として派遣された際に、「スーパー公務員」と持て囃されたこともある木村俊昭氏が務めた。
 木村氏の現在の肩書を見ると、東京農大教授、日本青年会議所アドバイザー、地域プロデューサー育成塾々長、北海道活性化機構代表理事、地域活性学会理事など、地域づくりに関わって幅広く活躍されているようだ。
      
 期待した木村氏の話は「『できない』を『できる!』に変える ~『共助』相互創発力を研く~」と題するものだったが、木村氏はあまりにも饒舌であり、あまりにも自信満々だった。そこのところに私にはやや鼻白む思いをしたのだった。
 彼は高校生の時からすでに「まちづくり」に関心があり、そのための「ひとづくり」を志向して学び、実践してきたという。そして全国の多くの「まちづくり」に関わってきたという。

          
          ※ 基調講演をされた木村俊昭氏です。

 あたかも彼の手にかかれば、地域の活性化などそう難しいことではない、と言われているような気がしてしまうが、問題はそう簡単でないことは誰もが感じていることである。
 彼は自らを「超プラス思考人間」と称して、マイナスイメージは持たないという。しかし、全国の自治体の多くは少子高齢化、人口減少という重い課題を背負いながら地域活性化を志向しているのである。そうした課題に真正面から向き合い、課題に共感する中から、その地域、地域の課題解決策が見えてくるのではないだろうか。
 やや上滑りの感じがすると思いながら聴いていたのは私だけだったろうか?

 続いてのトークセッションが私をますます混迷に導いてくれた。
 トークセッションは「互いに支え合う社会の実現」と題して、木村氏のほか、資金(ファンド)運用など業務とする会社の北海道支店長、内閣官房の地域活性化担当の参事官の三人が登壇し、青年会議所の担当者が司会をして進められた。
 ここでは、司会者の関心はもっぱらファンドのことにあったようで、支店長の方に何度も再質問をしていたことからそのことが伺われた。つまり司会者にとって「共助」とは資金運用によってお互いが助け合う、と理解しているのではないかと思われた。さすがに将来の経済人である。 この司会者に代表されるように、青年会議所の問題意識とは世間一般の問題意識とは少し乖離しているのではないか、と思われたのだがどうなのだろうか?

          
          ※ 三人が登壇したトークセッションの様子です。

 私は以前にまったく別の課題で札幌青年会議所の方々と関わりを持ったことがあった。その中で彼らの課題解決の姿勢に疑問を持ったことがあった。それは一言で言えば「深まりに欠ける」ということだ。
 それは若さゆえということなのかもしれない。
 今はそれが許されることかもしれないが、将来は札幌の経済を、さらには札幌のまちづくりを背負って立つ人材が含まれているのだと思われる。だからこそ、あえて苦言を呈せさせてもらった…。

※ なお、掲載写真については私も写していたが、青年会議所HPにより良い写真が掲載されていたので借用させていただいた。