意外に思われる向きがあるかもしれないが、“まちづくり”というのは、私の中では興味あるテーマの一つである。そのことに関わるようなイベントが開催されたので参加してみた。
3月7日(土)午後、北海学園大学において、タイトル名のようなイベントが開催された。
主催はNPO法人ドットジェイピー(.JP japan produce)北海道支部という団体だった。
大会の開催趣旨には次のようなことが記されていた。
「時代を担う若者を対象とした自治体の政策デザインコンテストです。知事・市長の立場で、開催自治体の30年後のビジョンを掲げ、それを実現するための10年後の政策・予算案をプレゼンテーションしていただきます。参加者は、自治体職員からアドバイスをいただいたり、自らフィールドワークを実施したりしながら、チームで議論を深めて優勝を目ざします。『若者らしい創造的かつ、現実性を備えた夢』をコンテスト形式で競い合う提案型プログラムです。(後略)」
北海道地域予選に参加したチームは、5チームだった(全て大学生のチーム)。対象とした自治体(開催自治体)は北海道や都市ではなく、東神楽町・下川町・弟子屈町・蘭越町・鶴居村(発表順)といった町村を対象とした発表(提案)だった。
私が5つのチームの発表を聴いての感想は「ちょっと期待外れかな」というのが率直な感想だった。どのチームの発表を聴いていても、そこに若者らしい“夢”が感じられなかったからだ。
曰く、道の駅の中に娯楽施設や室内運動施設を併設するとか、人口減対策のために滞在型観光に力点を置くだとか、若者夫婦の定住のために自家用車を進呈するだとか…。
大会趣旨が「現実性を備えた夢を」と要求はしているが、それにしてもあまりにも小さな夢ではないか?私に言わせれば「現実の候補者の方がもっと夢を語っているぞ!」と突っ込みたくなるような発表に思えた。
唯一、実現のための壁は厚いと思われるが、鶴居村を対象とした発表で、丹頂鶴のための自然環境を保全することを目的とする入村税を観光客から一人1,000円徴収して財源に充てる、とした発表がちょっと目を惹く程度だった。
大会全体を通じて感じたことだが、どうも若者らしい熱気のようなものが伝わってこなかったことだ。大会は出場チーム同士で、発表に対しての質疑応答があるのだが、その様子を見ていても他の発表に対する関心がそれほど高いとは思えなかった。また、運営も大学生が担っていたのだが、不慣れとはいえ、その人たちからも熱気を感ずることができなかった。
私には、なんだか誰かにやらされているのだろうか、と感じさせるようなやりとりに終始していたように映った。
というように、私の感想は散々であるが、若者たちが曲がりなりにも自治体が抱える課題を自らの課題として捉え、その課題解決策を主体的に考えたことは素直に評価したいと思う。
彼らの中から、将来議員や首長などを目ざす人がいるとしたら、今回の経験も貴重な経験だったに違いない。
今回は、私の中で学生に対する期待が少し大き過ぎたのかもしれないが、真摯に考えた経験が将来に必ず生きてくるはずだ。
“頑張れ!若者!”