気候システムの温暖化は疑う余地のないものである、とIPCCに参画する科学者が断言した。そのことによって私たちの生活に与える影響とは?気象学等の専門家の議論に耳を傾けた。
3月2日(月)午後、環境省が主催する「気候変動の科学と私たちの未来 ~ IPCCと北海道民の対話 ~」が京王プラザホテルで開催され参加した。
IPCCについては説明する要はないと思われるが、日本においては「気候変動における政府間パネル」と訳され、そこから数年おきに「評価報告書」が出されているが、地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書として知られているが、昨年末に第5次の報告書が出された。
※ 講演するEduardo Calvo Buendia(エドアルド・ブエンディア)IPCC第2作業部会副議長(ペルー)です。
シンポジウムには、その報告書作成に関わった第2作業部会の副議長(ペルー)、第3作業部会の副議長(英国)、そして北大からIPCCに参加した山中教授の三名が講演した。
ペルーのエドアルド・ブエンディア氏、英国のジム・スキー氏は共に英語での講演で、同時通訳が付いたのだが、日本語で話されても理系の問題については十分に理解できない私が、通訳を通しての話はほとんど理解できなかったというのが実情だった。
そのような中で漠然と理解できたことは、地球上のCO2が増加し、地球上の気温は上昇し続けているという指摘だった。そしてこうした地球温暖化を阻止するには政策としての必用な施策を講じなければならない、ということを言われていたと解釈した。
※ 講演するJim Skea(ジム・スキー)IPCC第3作業部会副議長(英国)です。
海外からの二人の話に対して、北大の山中教授の話はまだ私には理解できる内容だった。
山中教授は「地球温暖化と北海道 ~長いお付き合いの始まり~ 」と題して話された。
氏は北海道、特に札幌における各種観測データーを示しながら地球温暖化が進行していることを説いた。そして氏は、温暖化を止めるにはCO2の排出量を世界では半減、日本では8割減をすることが不可欠というショッキングな数字を挙げた。
この数字は、日本の産業形態や私たちの生活を激変させるほどの対策が必要ということを言われたように私は受け止めた。
山中氏はそうした数字を挙げる一方、北海道に限定した話として、北海道が人口減によって地方が消滅し、広大な自然保護区が誕生することによって持続可能な社会が創造できるかもしれない、という仮説を立てた。(どこまで現実的な話なのか私には判断はつかないが)
※ 講演する山中康裕 北海道大学大学院 地球環境科学研究院教授です。
三つの講演の後、講演した三人と、バイオマス研究を主として研究している北大の石井一英准教授、環境省の専門官が加わってのパネルディスカッションが行われたが、こちらもなかなか興味深かった。
その中から印象的な発言をピックアップしてみると…。
◇今のままのCO2の排出量を続けていると21世紀末には地球上の気温が3.7℃上昇する。
◇地球の気候を安定させる(気温上昇を抑える)ためには、CO2排出をほぼゼロにしなければならない。
◇カーボンゼロ(CO2排出ゼロ)の目標は現実的ではない。
◇気温上昇を2℃以内に抑えることが現実的だが、そのためには生活様式、行動様式を変える必要がある。等々…。
IPCCの第4次報告書までは、地球温暖化についてその傾向は指摘しながらも、それを否定的に考える科学者に配慮してか、断言は避けてきたように私は記憶している。しかし、第5次報告書においては「地球温暖化は疑う余地がない」と科学者たちは断言したのである。
問題はその指摘を世界の指導者たちがどう受け止め、世界的規模で対策をどのように講じていくかということのように私には聞こえてきた。
コトがそうそう簡単なことではないことは、これまでのCOP(気候変動枠組条約締約国会議)の迷走ぶりをみると明らかである。
取り返しのつかない地球の未来とならないために、世界の英知が結集し、世界が共同歩調を取る日が来ることを期待したい。
※ 理系に弱い私が聴き、理解したことですので、私の表現には誤解や思い込みの部分が多々あるであろうことをお断りしておきます。
3月2日(月)午後、環境省が主催する「気候変動の科学と私たちの未来 ~ IPCCと北海道民の対話 ~」が京王プラザホテルで開催され参加した。
IPCCについては説明する要はないと思われるが、日本においては「気候変動における政府間パネル」と訳され、そこから数年おきに「評価報告書」が出されているが、地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書として知られているが、昨年末に第5次の報告書が出された。
※ 講演するEduardo Calvo Buendia(エドアルド・ブエンディア)IPCC第2作業部会副議長(ペルー)です。
シンポジウムには、その報告書作成に関わった第2作業部会の副議長(ペルー)、第3作業部会の副議長(英国)、そして北大からIPCCに参加した山中教授の三名が講演した。
ペルーのエドアルド・ブエンディア氏、英国のジム・スキー氏は共に英語での講演で、同時通訳が付いたのだが、日本語で話されても理系の問題については十分に理解できない私が、通訳を通しての話はほとんど理解できなかったというのが実情だった。
そのような中で漠然と理解できたことは、地球上のCO2が増加し、地球上の気温は上昇し続けているという指摘だった。そしてこうした地球温暖化を阻止するには政策としての必用な施策を講じなければならない、ということを言われていたと解釈した。
※ 講演するJim Skea(ジム・スキー)IPCC第3作業部会副議長(英国)です。
海外からの二人の話に対して、北大の山中教授の話はまだ私には理解できる内容だった。
山中教授は「地球温暖化と北海道 ~長いお付き合いの始まり~ 」と題して話された。
氏は北海道、特に札幌における各種観測データーを示しながら地球温暖化が進行していることを説いた。そして氏は、温暖化を止めるにはCO2の排出量を世界では半減、日本では8割減をすることが不可欠というショッキングな数字を挙げた。
この数字は、日本の産業形態や私たちの生活を激変させるほどの対策が必要ということを言われたように私は受け止めた。
山中氏はそうした数字を挙げる一方、北海道に限定した話として、北海道が人口減によって地方が消滅し、広大な自然保護区が誕生することによって持続可能な社会が創造できるかもしれない、という仮説を立てた。(どこまで現実的な話なのか私には判断はつかないが)
※ 講演する山中康裕 北海道大学大学院 地球環境科学研究院教授です。
三つの講演の後、講演した三人と、バイオマス研究を主として研究している北大の石井一英准教授、環境省の専門官が加わってのパネルディスカッションが行われたが、こちらもなかなか興味深かった。
その中から印象的な発言をピックアップしてみると…。
◇今のままのCO2の排出量を続けていると21世紀末には地球上の気温が3.7℃上昇する。
◇地球の気候を安定させる(気温上昇を抑える)ためには、CO2排出をほぼゼロにしなければならない。
◇カーボンゼロ(CO2排出ゼロ)の目標は現実的ではない。
◇気温上昇を2℃以内に抑えることが現実的だが、そのためには生活様式、行動様式を変える必要がある。等々…。
IPCCの第4次報告書までは、地球温暖化についてその傾向は指摘しながらも、それを否定的に考える科学者に配慮してか、断言は避けてきたように私は記憶している。しかし、第5次報告書においては「地球温暖化は疑う余地がない」と科学者たちは断言したのである。
問題はその指摘を世界の指導者たちがどう受け止め、世界的規模で対策をどのように講じていくかということのように私には聞こえてきた。
コトがそうそう簡単なことではないことは、これまでのCOP(気候変動枠組条約締約国会議)の迷走ぶりをみると明らかである。
取り返しのつかない地球の未来とならないために、世界の英知が結集し、世界が共同歩調を取る日が来ることを期待したい。
※ 理系に弱い私が聴き、理解したことですので、私の表現には誤解や思い込みの部分が多々あるであろうことをお断りしておきます。