川下集落 ~ たっぷ大橋 トレッキング月日 ’15/03/12
昨日(12日)、「空白の五マイル」ならぬ、「空白の7キロ」をやり遂げることができた。今シーズン最後のチャンスと思いながら出かけたスノーシュートレッキングだったが、たったの7キロだったのに、私にとっては今シーズンの中では最もダメージを受けた7キロだった…。
雪の状態、天気、私のスケジュールなどを睨みながら、今シーズン最後のスノーシュートレッキングの実施の日を慎重に検討した。
その結果、「天気は多少不安定だが12日以外にはない」との結論に達し、昨日実施に踏み切った。
計画では、今回は自家用車を自ら運転して、スタート地点の新篠津村川下集落まで移動し、そこからスノーシュートレッキングを始めて、たっぷ大橋のたもと(新篠津村の中心街近く)をゴール地点とする。
帰りは平日のみ走る新篠津村のコミュニティバスが、新篠津村役場前を13:45に発車するので(昼間はこれ1本のみ)、それを利用して川下集落まで戻り、再び自家用車を駆って帰宅するというスケジュールプランだった。
自家用車を使い、しかも直線距離にして約7キロ、私はそれほど早く始動しなくてもいいなぁ、くらいに考えていた。(今風に言うと、ザックリした計画?)
ところが、やはり興奮していたのだろうか?朝4時半に目覚めてしまった。
目覚めてしまったからには行動開始である。
前夜におおよその準備は整えていたので、カップラーメン用のお湯や、温かい紅茶を用意して、夜明け前の5時20分に自宅をスタートした。
※ これが拙ブログでちょっと話題になったドイツのカローラです。
6時10分、スタート地点の川下集落に着き、準備を整えて6時20分にスタートした。(前回とほぼ変わらぬ時間にスタートを切ったことになる)
天気は雲が厚く垂れ込めているものの、風はそれほどなく、まあまあのコンディションである。
肝心の雪の状態だが、表面は固いものの、踏み込むとスノーシューの周りの雪が崩れ、足元が沈み込んでしまうという雪の状態だった。 これが後々、私の体力を徐々に、徐々に奪っていった。
※ 前々回スノーシューを脱いだ川下集落の倉庫のところからトレッキングを開始しました。
※ 写真は見づらいですが、スノーシューを踏み込むと沈み込んでしまうというコンディションでした。
スタート地点の川下集落の堤防から真っ直ぐ石狩川の河岸に向かった。
石狩川は前回とは違い、ほんの少しだがさざ波を立てながら静かに流れていた。
いつものように雑木林の間を抜けてゆく、スノーシュートレッキングが始まった。
雑木林の中は予想どおりかなり雪解けが進み、あちこちに自然にできた掘割が顔を覗かせていて、そこを避けながらのトレッキングが続いた。
※ この日、最初に見た石狩川の流れです。少しさざ波が立っているのがわかるでしょうか?
※ 石狩川河岸はこのように雑木林が繁茂しているところがほとんどでした。
※ 行く手にこうした自然にできた凹地(掘割?)に水面が顔を出していました。
行動を開始して30分後、大きな流れに進路を遮られた。そこは新篠津村内を流れる「篠津川」が石狩川と繋がっている「篠津川上流樋門」が設けられているところだった。
流れを回避するためには堤防のところまで戻るため、河岸から2~300メートル迂回しなければならない。こうしたことがこの日だけで3度ほどあった。
※ 新篠津村内を流れる「篠津川」が石狩川に注ぐ河口です。向こう側が石狩川。
※ 「篠津川」と「石狩川」を結ぶ「篠津川上流樋門」の大きな構造物です。
再び河岸に戻り、石狩川を右に見ながらのトレッキングが続く。
雑木林の中にも春が芽吹き始めていた。植物に弱い私であるが、さすがにネコヤナギの芽だけは分かる。銀色の産毛に包まれた芽が今にもほころびそうな表情で枝先に付いていた。
※ ちょっとネコヤナギにピントが合っていませんねぇ…。
※ こちらは昨秋の種子がまだ枝先にぶら下がっている図でしょうか?木の種類は分かりません。
先にも書いたが雑木林は木と木の間がそれなりにあるので、そこをジグザグにはなるがすり抜けて進むのには問題がない。問題はイタドリのような灌木類が密生しているところである。もうそこはそうした灌木類をなぎ倒しながら進むしかなく、これがけっこう面倒だった。
※ 写真のような灌木類が私の往く手に立ち塞がりました。
※ 石狩川は変わらずに静かに流れていました。この流れが暴れるときにはどのような様子なのでしょう?
スタートからおよそ1時間後の7時30分、頭上を向こう岸から送電線が走っていた。これまで送電線は国土地理院の地図には記載されていたのに、この送電線は記載されていない。どうしてなのだろう?
※ 国土地理院の地図に記載されていなかった送電線です。
雑木林の中は、一部雪面が固く締まっていてスノーシューが沈むことなく進めるところもあった。そうしたところは、沈み込むところに比べるとスムーズに歩を進めることができ、体への負荷も少なかったのだが…。
※ このような凹地が現れると、当然のように巻いて進まねばなりません。
スタートしてからおよそ1時間半後、少し疲れを覚えたこともあり休憩を取ることにした。
風は感じず、静かな林の中で、温かく少し甘い紅茶を啜り、ミニドーナツを頬張る瞬間は何にも代えがたいホッとする瞬間でもあった。
私はこの時、意識はしていなかったのだが後から考えると、ちょうどこの日の中間地点に達していたようだった。
※ 雑木林内で摂った温かくて甘い紅茶とドーナツは最高でした!
(明日、後編をレポートします)
※ あっ、ところでリード文に使用した「空白の五マイル」については、現在最も注目されている冒険家でノンフィクション作家である角幡唯介氏の処女作の書名である。壮絶な冒険噺は私を魅了して離さなかった名著です。