田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

感動をありがとう!琴似工高定時制演劇部

2015-03-28 23:38:38 | ステージ & エンターテイメント
 これほどの感動に包まれたのはいつ以来だろうか?そう思えるほど舞台を観終えた私は深い感動に包まれた。琴似工業高校定時制演劇部の一人ひとりが等身大の役を素直に演じきった姿に会場内の誰もが感動に包まれた瞬間だった…。

                

 本当は他の話題を投稿しようと考えていたが、今夕味わった感動を少しでも早く伝えたいと思い、話題を変更することにした。

 今夕(3月28日)6時30分から、北翔大サテライト「ポルト」において、札幌琴似工業高校定時制演劇部(以下、琴工定時演劇部と称す)の鷲頭環作「北極星の見つけかた」という舞台を観賞する機会を得た。
 琴工定時演劇部は昨年11月に開催された全道高校演劇発表大会において、17校が参加した中、見事最優秀賞に輝き、今年7月に行われる全国大会への出場権を獲得したと新聞が伝えていた。定時制高校の演劇部が全道大会の最優秀賞を獲得したのは46年ぶりの快挙だそうだ。

 昨年11月に最優秀賞に輝いても、全国大会が今年7月開催では定時制の4年生はすでに卒業してしまって全国大会の舞台には立てないことになる。そこでいわゆるオリジナルメンバーとしては今夕が最後の舞台でもあったのだ。

          
          ※ 今回の演劇の舞台となった北翔大「ボルト」の建物です。

 舞台設定は工業高校定時制高校の電気科の教室である。
 実習の成績が良くなかった5人がラジオのキットを組み立てる課題に取り組むのだが、コトは簡単ではなく、そこに木工科(?)の一人、そして全日制の一人(ヒロ)が絡み、7人(北斗七星)で話は進んでゆく。
 全日制の生徒はいじめから不登校となり、退学を決意する。そのことを知って、他の6人も過去にさまざまな傷を負いながら現在にいたっていることを告白するのだった。それは現実の定時制の生徒が置かれている状況を、彼らを通して訴えているとも受け取れた。
 特に生まれつき右手に障害があるナツキ(三木夏恵さん)は、まさに現実に右手が不自由でいじめや不登校を経験していることを劇中でも語った。このように、現実の姿を劇中で表現することを「当て書き」というそうだ。他の登場人物にもそれは大なり小なり、現実の彼らと劇中の役柄は「当て書き」で脚本は創られているという。

          
          ※ 開演中のカメラはNGたったので開演前の舞台をパチリと。

 全日制のヒロは、北斗七星の先にある「北極星」が好きだという。ヒロは彼らのラジオの組み立てを助けたが退学の道を選ぼうとしている。彼らと同じように悩み苦しむヒロに共感を覚えるとともに、ヒロに感謝の気持ちを伝えようとする6人の生徒たち…。
 その姿には、進む道は違っても、きっと自分の北極星を見つけような、とエールを送っているように私には思えた。

          
          ※ 閉演後の舞台あいさつに立った演劇部員たちです。

 笑いあり、涙あり、等身大の自分たちを演ずる彼らの姿に田舎オヤジは不覚にも鼻水をすすりながらの観劇となってしまった。
 その要因は、演ずる彼らの真摯な演技が一番であるが、脚本が素晴らしいと思った。
 脚本を書いた鷲頭環さんのブログを拝見すると、彼女が彼ら琴工定時演劇部の一人ひとりを心から愛していることが伝わってくる。だからそ、あそこまでの脚本をモノにすることができたのだ、と…。

          
          ※ 涙ながらに4年間の演劇活動を語る三木夏恵さんです。

 いや~、久々の感動を味わった。
 ありがとう!琴似工業高校定時制演劇部のみなさん!
 全国大会は後輩に託することになりますが、後輩のみなさん先輩の思いを胸に、全国の舞台でも精いっぱい演じきってください!

          
          ※ 北海道新聞の記事から

 最後に、鷲頭環さんには無断ですが(鷲頭さん許して下さい)、彼女のブログを転写させていただきます。


 バースデー

 ごめんなさい。
 今日だけ愚痴らせてください。

 琴似工業高校定時制演劇部、
 昨日まで行われた全道高校演劇発表大会で、最優秀賞いただきました。
 来年7月の全国大会に出場します。

 その結果を某同僚からメールで教えられて。
 「え ヤダ」
 と返信したのは私です。

 ごめんなさい。
 でも、どうしても複雑なんです。

 今回の芝居は、完全にアテ書き、完全にヤツラのために書きました。
 そのメインキャスト9人のうち、実に7人が卒業してしまうんです。
 そのあとの全国大会なんて、どうやって舞台作ればいいのかわかりません。
 困ってます。
 …違うな。
 悲しいんです。寂しいんです。やりきれないんです。

 私は今回はっきりわかった。
 最優秀だと評価されたかったわけでも
 全国大会行きたかったわけでもない。
 ただ
 あいつらと一緒にもう一度、あの作品を舞台に上げて、
 たくさんのお客さんに見てもらいたかった。
 それだけなんだ。

 大好きなんだ。
 あの
 ダメダメでヘタレでへなちょこで
 話きかないし不器用だし世話焼けるし
 だらしないし頭悪いし態度も悪いあいつらが。
 もう、もう本当に大好きなんだ。
 かわいくて仕方ないんだ。
 だから、この芝居をあいつらとやれて嬉しくて、
 あいつらとやれなくなって悲しくて寂しくて仕方ないんだ。
 だから気を抜くとすぐ涙が出てくる。
 昨日から何度泣いたことか。
 うれし涙なんて一粒も出ない。
 こんなに胸が痛いのなんて久しぶりだ。

 だから。

 今日、夕方大道具の片づけがあるけど。
 お願いしてみようと思う。

 もう一度、舞台やろう。
 最高のメンバーで最高の舞台やろう。
 お客さんに見てもらおう。
 あわよくば全国のための大道具運搬費のカンパ集めよう(笑)。

 てことで。
 今年度中に札幌で自主公演したいと考え中。
 それがヤツラにとっても餞になるといいな。

 写真は全道決めたときの笑顔と
 全国決まっちゃったときの真顔。
 表情正直すぎ。

 てことで誕生日でした。
 でかいプレゼントもらっちゃったよ。
 でかすぎるよ。
 ありがと。だいすきだよ。