田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 129 アメリカン・スナイパー

2015-03-17 23:14:02 | 映画観賞・感想

 久しぶりに劇場映画の醍醐味を満喫した映画だった。緊迫した戦闘場面に手に汗握り、次第に厭戦気分に陥る主人公の心境に思いやり…。ストーリーが実話を題材にしていたところが一層私を映画の中に惹き込ませた。 

               

 3月11日(水)、特に予定のなかった私は「たまあに、映画でも行こうか?」と思い立ち、新聞の映画欄を眺めた。特に触手が動くような映画は見当たらなかった。
 そんな中、唯一「アメリカン・スナイパー」が実話に基づいた映画だということをどこかで記憶していた。ネットで調べてみると、支持率もかなり高いことが分かり、この映画に観ることにした。

 上映館は「ディノスシネマズ札幌」で15時10分上映開始の部だったが、平日とあって私のような暇人はそれほど多くはないようで、観客は数えるほどだった。
 映画はイラク戦争に4度従軍したクリス・カイルが著した自伝『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』を原作としたものだった。監督は、数々の名作を世に送り出したクリント・イーストウッドが担っている。

 主人公であるクリス・カイルたち特殊部隊の迫真の戦闘場面と、彼の背後にいる妻や家族とのやりとりという比較的単純なストーリーが私の中に“?”を生むことなく映画に没頭させてくれた。
 この映画を戦争礼賛と捉える人もいると聞くが、主人公クリス・カイルをはじめ沢山のアメリカ兵やイラク人たちの誰もが深く傷つき、戦闘に関わった全ての人々を不幸にすることをこの映画は伝えているように思う。
 ただ、娯楽作品として創り上げる映画にはエンターテイメント性も加味する必要があるのだろう。そのあたりをクリント・イーストウッドはバランス良く組み合わせた結果が多くの支持を得ることに繋がったのではないかと思われる。

          

 主人公クリス・カイルは心に大きな傷を負い、除隊後は戦争で傷付いた傷痍軍人たちとの交流を続けるが、その中の一人に殺害されるという悲劇的な結末を遂げる。その場面については文字だけの説明で映像はない。それはクリント・イーストウッドが遺された家族に対する配慮が働いたものと思われるが、この点も好感がもてる一つだ。

 映画を観終えた数日後、北海道新聞に最新の映画ランキングが載っていたが、そこでは「アメリカン・スナイパー」が第2位にランクされていた。やはり多くの人の共感を呼んでいる映画である。