座位でのカルタ取りは高齢者には辛い。そこで考えられたのが立位でのカルタ(百人一首)だった。久しぶりの読み手、久しぶりの取り手、子どものころに夢中になった百人一首に興じ、懐かしさに浸った一日だった。
1月30日(月)午後、「めだかの学校」にとって年に一度の百人一首「下の句」カルタ会が行われた。
「めだかの学校」が百人一首を年間事業に取り入れ始めて5年目だそうだが、私が参加した3年前からは立位式のカルタ(百人一首)会になっていた。
立位式とは、長机を4脚合わせて、その上を梱包用のシートで覆って百人一首の札を並べる方式を取ることによって、取り手は立ったままゲームを楽しめる、という方法である。
もう一つ「めだかの学校」独特の方式は、4人1チーム方式を取っていることだ。一般的に北海道の「下の句」カルタは3人1チームなのだが、それを4人で1チームを構成することにしている。これは百人一首にあまり親しみのない人に対して参加しやすい方式として取り入れられたようだ。
※ 「めだかの学校流」の会場制作法である。まず長机4脚をガムテープで固定する。
※ その上を荷造りの梱包用シートで覆い、最後に黒テープで枠を作る。
今回の参加者は28名だったが、1チーム4名なので、4チームを作ることができた。試合としては、チーム分けのための予備戦、そして1回戦、さらに決勝戦、3・4位決定戦を同時に行うことで計3回の戦いが行われた。
競技が始まる前に一つのエピソードが紹介された。
参加者の中に毛筆を趣味とされている方がいて、自らの手によって百枚の取り札を書き上げて完成したという「板カルタ」が披露された。それは既成の「板カルタ」と見紛うばかりの完成度の高いものだった。(板カルタも「下の句」カルタの特徴である)
※ お名前は失念したが、自らの筆で百人一首を書き上げたご婦人です。
※ その方の書いた百人一首です。本物と何ら遜色がありません。
さて、競技の方である。
私は1回戦の読み手、3・4位決定戦の際の取り手として参加した。
面白いことがあった。私と共に読み手を務めた方は道南出身の方である。対して私は道北出身である。二人の読み方のイントネーションが明らかに違うのだ。
これは下の句カルタが会津藩によって始まったと言われていることから、明治期になって道南の瀬棚郡に会津藩が移住したことにより北海道内伝わったと思われる。
その道南から、徐々に道北に伝わるまでに読み方のイントネーションにも変化が生じたのではないかと思われる。
※ 試合開始前、それぞれが木札を並べ終えたところです。
※ いよいよ試合開始です。読み手が詠う下の句の文句を集中して耳を傾けています。
取り手の方として参加させていただいた方は、うん十年ぶりに札を取る勘は、鈍りに鈍っており、まったく思うようには取れなかった。
しかし、読み手が読み上げるごとに神経を研ぎ澄ます行為を100回(百人一首だから)繰り返す行為は、とてつもない集中力を要する。私は1度参加しただけでクタクタに疲れていた。
この「めだかの学校流 百人一首」が道民カレッジ連携講座の「健康・スポーツコース」の単位が与えられる所以である。