香山さんは語る。「たとえ身体に病を生じても、心は健康でありたい」と…。さらに彼女は言う。「他と比較するな。過去の自分と比較するな。今の自分を肯定せよ」と…。ポジティブシンキングで生きることの大切さを彼女は何度も何度も説いた。
少し以前のことになってしまうが、2月19日(日)午前、札幌医師会が主催する「札幌医師会医学会 特別講演会」が札幌医師会館であり、講師として立教大学現代心理学部映像身体学科教授の香山リカ先生が招かれ、「『本当の健康』とは何かを考える」と題して講演された。この講演が一般市民にも開放されたので、受講することにした。
香山氏はTVなどのマスコミにも数多く登場し、精神分野のみならず、評論家として広く論評活動を行っていることで知られている。その言論において政治的にリベラルな発言も多いことからウェブ上では彼女の言動を巡って姦しい論議もあるようである。
私は講演会を受講するとき、講師の発言が政治的に右であろうが、左であろうが、そのことにこだわりは持っていない。むしろ両者の言い分を聞くことによって、はじめて自分なりの判断材料が得られると思っているからだ。
ただし、今回の講演会で香山氏がそうした発言をするとは思えなかったし、事実そうした類の発言は皆無であった。
香山氏は最初に自らの来し方について語った。彼女は北海道生まれで北海道育ち、ただし高校・大学(東京医科大卒)は東京であるが、医師としての最初の赴任地は故郷の市立小樽第二病院だそうだ。
その当時のエピソードとして、彼女が専門とした「精神科」は世間的にはネガティブな印象を持たれていたそうだ。しかし、時代の進展により複雑化した社会の中において、心を病む人が増えるに従い、精神科医の存在意義が高まってきたという実感を持ったそうだ。
また、彼女は精神科医として当初「心の病を治してあげましょう」というような気持で診療にあたっていたが、そのことは医師としての“おごり”があったと反省したという。
彼女が診療にあたるうちに、「誰にでも心の健康が宿っている」ということに気付いたというのだ。心の病を抱えている人は、雑念などに阻害されて病を得ているのだと…。だからその人の本来の良さを引き出すために、閉じ込められているフタを取り外すのが精神科医の務めだと気付いたというのだ。
だから、彼女の話は終始聞いている人たちを元気づける話に満ちていた。
曰く「たとえ寝たきりでも、他人を健康(元気)にできる」(乳がんに侵されている小林麻央さんの例を出して)、「体の健康が損なわれていても、心が健康であれば“健康”と言って良いのでは」、「おかれた状況でいかにベストを尽くすことができるかが肝心なこと」等々…。さすがに数多く講演をこなし、マスコミで脚光を浴びている人である。ノー原稿で、さまざまな事例を取り上げながら立て板に水という感じで、私たちに語りかけた。
最後に、都会人は「歳を取ることが“悪”だ」というような考えがあるが、それはストレスを溜めることになる。
「今の自分を肯定することが大切だ」、「他と比較するな」、「自分の過去とも比較するな」などなど、ともかくポジティブシンキングで生きることが「心の健康」に繋がることを強調されて講演を閉じた。
今回の講演を拝聴し、これから加齢によって体のいろんなところに不具合が生じてくることが予想されるが、そうした事態に遭遇したときに、香山氏のお話を思い出し、自らを鼓舞したいと思うが、果たして?
少し以前のことになってしまうが、2月19日(日)午前、札幌医師会が主催する「札幌医師会医学会 特別講演会」が札幌医師会館であり、講師として立教大学現代心理学部映像身体学科教授の香山リカ先生が招かれ、「『本当の健康』とは何かを考える」と題して講演された。この講演が一般市民にも開放されたので、受講することにした。
香山氏はTVなどのマスコミにも数多く登場し、精神分野のみならず、評論家として広く論評活動を行っていることで知られている。その言論において政治的にリベラルな発言も多いことからウェブ上では彼女の言動を巡って姦しい論議もあるようである。
私は講演会を受講するとき、講師の発言が政治的に右であろうが、左であろうが、そのことにこだわりは持っていない。むしろ両者の言い分を聞くことによって、はじめて自分なりの判断材料が得られると思っているからだ。
ただし、今回の講演会で香山氏がそうした発言をするとは思えなかったし、事実そうした類の発言は皆無であった。
香山氏は最初に自らの来し方について語った。彼女は北海道生まれで北海道育ち、ただし高校・大学(東京医科大卒)は東京であるが、医師としての最初の赴任地は故郷の市立小樽第二病院だそうだ。
その当時のエピソードとして、彼女が専門とした「精神科」は世間的にはネガティブな印象を持たれていたそうだ。しかし、時代の進展により複雑化した社会の中において、心を病む人が増えるに従い、精神科医の存在意義が高まってきたという実感を持ったそうだ。
また、彼女は精神科医として当初「心の病を治してあげましょう」というような気持で診療にあたっていたが、そのことは医師としての“おごり”があったと反省したという。
彼女が診療にあたるうちに、「誰にでも心の健康が宿っている」ということに気付いたというのだ。心の病を抱えている人は、雑念などに阻害されて病を得ているのだと…。だからその人の本来の良さを引き出すために、閉じ込められているフタを取り外すのが精神科医の務めだと気付いたというのだ。
だから、彼女の話は終始聞いている人たちを元気づける話に満ちていた。
曰く「たとえ寝たきりでも、他人を健康(元気)にできる」(乳がんに侵されている小林麻央さんの例を出して)、「体の健康が損なわれていても、心が健康であれば“健康”と言って良いのでは」、「おかれた状況でいかにベストを尽くすことができるかが肝心なこと」等々…。さすがに数多く講演をこなし、マスコミで脚光を浴びている人である。ノー原稿で、さまざまな事例を取り上げながら立て板に水という感じで、私たちに語りかけた。
最後に、都会人は「歳を取ることが“悪”だ」というような考えがあるが、それはストレスを溜めることになる。
「今の自分を肯定することが大切だ」、「他と比較するな」、「自分の過去とも比較するな」などなど、ともかくポジティブシンキングで生きることが「心の健康」に繋がることを強調されて講演を閉じた。
今回の講演を拝聴し、これから加齢によって体のいろんなところに不具合が生じてくることが予想されるが、そうした事態に遭遇したときに、香山氏のお話を思い出し、自らを鼓舞したいと思うが、果たして?