「冬の石狩川河岸を遡る」プロジェクトの当面の最終目標である旭橋(石狩川と忠別川・美瑛川との合流点の少し上流)までをどう攻めるか?大いに悩んだが、このほどようやくその戦略(少し大げさかなぁ…)を固めた。
前回の到達点である「神納橋」から石狩川と忠別川・美瑛川との合流点までは、概算でおよそ24キロと目測した。この区間を2日間で攻めたいと考えた。
その際、最も頭を悩ませたのが、右岸を往くか、左岸を往くか、という問題だった。
これまで私は一日(№16の江竜橋⇒石狩川第一橋梁間)を除いてすべて右岸を歩いてきたので、残りの区間も右岸を歩くつもりだった。
ところが右岸を往くには、二つの問題があった。
一つは、スタート地点の「神納橋」から右岸を歩くと、まったく集落などがなく約15キロ先にようやく「伊納」という駅があるのだ。雪道の15キロは相当にタフな距離である。
もう一つ問題があった。右岸のほとんどは石狩川沿いに造成された旭川市のサイクリングロードになっている。サイクリングロードなら、スノーシュートレッキングには最適な環境である。
ところが、急峻な崖の途中に造成されたコースは、数か所にわたって崖が崩壊しているという情報が旭川市からもたらされた。崩壊しているところを回避して進むことも可能なのではと思うが、もし回避することができないところに遭遇したら、引き返すだけの時間的な余裕が生まれない。右岸はあまりにもリスクが大きすぎる。
結局、私は涙を呑んで左岸を往くことを選択した。
※ 一日目の行程の地形図です。左側の赤丸の「神納橋」から、右側の二つの赤丸「春志内」、「観魚橋」の二つのバス停の位置です。どちらかからバスをゲットする予定です。
「神納橋」をスタートすると左岸は国道が石狩川と並行するように走っていて、一部は国道上を往かねばならないこともあるかもしれない。
ただ、左岸の場合は国道と並行していることで、一日目をどこで中断しても路線バスを拾うことができるという利点がある。ちょうど12キロくらいの地点に「観魚橋」というバス停があるので、第一日目の目標を「観魚橋」とすることにした。
そしてこの日は、近くに適当な宿がないので、旭川市内までバスで行き市内のビジネスホテルを予約した。
※ 二日目の行程の地形図です。旭川市内に付けた赤丸の「旭橋」を目ざす計画です。
翌日、再び路線バスで「観魚橋」まで戻り、そこから二日目をスタートし、ゴールの「旭橋」を目指すことにする。
ただし、二日目はできれば右岸を歩きたいと思っている。というのも「観魚橋」から少し行ったところに石狩川を跨ぐ「伊納大橋」がある。その橋を渡って、本来(?)の右岸を歩いて旭川(旭橋)を目ざしたいと思っているのだ。最終的には現地で判断したい。
そして無事ゴールの後は、旭川バスターミナルまで移動して、都市間バスで帰札するというスケジュールである。
しかし、こうして未知のコースをどのように攻めようか?とあれこれと考えている時ほど心楽しい時はない。
戦略(計画)を立てるにあたって、最優先するのは当然であるが「安全第一」ということである。
今回の左岸に決定したのは、そのことを考えた結果であった。
次に考えるのは、コストパフォーマンスである。こうしたいわば道楽はできるだけコストをかけないで楽しみたいと思っている。
今回、距離も長いので一日目のスタートを早く切るために前日に深川に一泊することも考えた。
しかし、12月頃と比べて日没も遅くなっていることから、当日札幌発一番列車の特急を使えば日没前にゴールできると判断した。
ここの選択は、都市間バスを使用すると特急の半額以下で深川まで行くことができる。しかし、残念ながら深川行きの都市間バスは札幌発が遅いので、ここはJRの特急を選択せざるを得なかった。
最後は、二番目とも共通するが、なるだけ効率良く、ということも考慮しながら戦略を立てるのが楽しい作業である。
どの列車を選択するか? 現地のバスの時刻表はどうなっているか? 等々…、最も効率良く目的が達成できるように予定を組むのはとても楽しい作業だった。
天気予報もにらみながら、来週早々にも実施したいと計画中である。