7月29日のことになりますが、こういうお年寄り(失礼!)の鮎釣り師がおります。 羨ましいですね。 彼らの年まで鮎釣りができるかどうか、何とも心もとない次第です。
最初はガラガケ(コロガシ)の釣り人です。 下の写真の人ですが、7.2メートルのコロガシ専用の竿を使っています、400gはありそうです。 今どき重いですよね。そういう竿をこの歳になっても操作できることの素晴らしさ、その体力に乾杯です。
岩盤の深い瀬でのガラガケを中心にしているようです。 場所は写真のもう少し下流となりますが、そこでサクラマスを掛けたと教えてくれました。 その魚をケータイで写真を撮っていたので、見せてくれました。 丸々と太ったサクラマスです。35センチだったとか。
最初はそんな大きな魚とは思わなかったそうで、取り込みには苦労したようです。 仕掛けを見てみると、おもりの下には蝶バリの仕掛けが4個あるばかりです。 私が友釣りを知る前はガラガケをしていましたが、その時のタックルは竹製の竿の4本繋ぎで全長は2間半(4.5メートル)、ハリは蝶バリが4本というのが普通の仕掛けでした。
ところが今は市販のガラガケ仕様のハリを使っているため、ハリの数は4本というのは少なく、6本から多いのは8本くらいのまであります。 そういうことから言っても、感じのいいお年寄りでした。 この流れの前後で2匹くらい釣れればいいと言っていました。 足るを知る!素晴らしい人生訓ですね。
もう一人のお年寄りは友釣りの人です。ガラガケの人の下流の深トロで泳がせていました。 下の写真の人ですが、遠くから見ていて面白いなと思ったのは、写真からも分かるような竿掛けです。いや竿立てですか。 写真のように水の中に竿立てを立てて、それを長い竿を支えるというか片腕の代わりをさせているということです。
今はやりのエコ釣りというか、体力消耗防止というか、うまいことを考えたなあと思った次第です。
それで近寄っていって話しをしました。 何とも小さい、か細い声でしたので大半は聞き取れなかったくらいなのですが、話し自体は嫌いではないようです。 釣り人は孤独なものですので、話しかけられると結構いろいろと話してくれます。
最初は上流の瀬頭で竿を出していたようですが、すぐにオトリ鮎がアップアップしてどうしようもないので下ってきたそうです。 そしたらここのトロ場で結構掛かっているらしいのです。 やはり居たんですね、このトロ場に。 どんなところでも、一応はきちんと竿を出してみるべきだということを教えられました。
掛かると無理をせず引き寄せます。引き抜きはやらないそうです。竿はいい竿です。がまかつの”競技スペシャルV5”です。 25万円以上する竿です。大きな鮎が掛かっても曲がるのは先の方で、先調子の竿のようです。
取り込んだ後の竿の操作ですが、ふつうは肩に担いだままでオトリ鮎をハナカンから外し、掛かり鮎にハナカンをセットするでしょう。 ところがこのお年寄りの場合はちょっと違います。ユニークです。 写真は撮らなかったのですが、自家製の竿受けをセットしていたのです。
ベルトの前の方に、直径は7,8センチくらいで長さは15センチくらいの筒状のものをセットしているのです。アユの交換のときは、竿をその竿受けに差し込んでおけば両手が自由に使えます。こう書いても、ふつうに我々がやっている肩に担ぐ方法でも両手は使えるではないかと思われるかもしれません。事実その通りなのですが、竿を前の方に向けたままで両手を使えるというのが素晴らしいと思った次第です。
これなら後ろが草木や藪であっても、竿を川の方に向くようにしておけば問題はないわけです。 かって私は足に竿立ての用具をセットするのを買ったことがあるのですが、さっぱり役に立ちませんでした。 安定しなかったからでしょうか。 そこいくとこの御老公の発明品はよくできていると思います。 今後の課題です。
結構いい型の鮎を掛けていました。
明日こそ、川に入りたいと思っています。