そして、夫と息子はツーリングと洒落込む…。
私はと言えば、二人が出掛けた後にヒメ様の散歩と苗に散水。
時間は11時半。
3時にばぁ~ちゃんが帰ってくるまでタイムリミット3時間半。
帰ってくるまで、お粥を炊いたりベッドメイキングをしたり
夕食の買い物もある…。
すると やっぱり2時間が限度かなぁ。
どっこも行かずしまいなのは、ちょっと癪なので
背炙山(せあぶりやま)へ行ってみる事にした。
自宅より30分なとこで、時間&場所的には良い場所にある。
因みに背炙山とは会津若松市の東に連なる山で現在では山頂を車道が通じている。
山名の由来は、猪苗代から会津若松を往復する時、行きは背中に朝日を受け
帰りは夕日を背中に受ける事からついた名前のようだ。
高校の頃は舗装もされていなくて、それでも授業の一環として
2時間余りかけて、背炙山まで登ったものだ。
我が家の子供たちが高校の時もあった…今も続いているのだろうか。
山には不思議な力がある。
大きさと偉大さと包み込むような優しさと…だから人は山を訪れるのだろうか。
ちょっと疲れ気味だった心が洗い流されたような気持ちになって
小さな事で思い悩んでいた事が嘘の様に思える時がある。
曲りくねった、それでも舗装されていた道を車で走り
時々スピードを落として、下の方に見える市街地や
鬱蒼と生い茂る花木を眺めて、山からの精気を吸い込んだ。
それにしても、重い雪に押し潰されそうになりながら
耐え続けた冬を越して、枯れてしまったような枝にさえ小さな若芽が出ていた。
どうやら春の恵みは公平に命の息吹を宿らせてくれているようだ。
頂上付近には、まだいくらかの雪が残っていて行き交う車も少ない。
そんな中で、ハッキリと澄んだ美しい鶯の鳴き声を聞いた。
いつも家から眺めている磐梯山も今日は違った角度からで
いつもより身近に感じながらシャッターを切った。
こうして見ると、本当に会津は盆地で山に囲まれているのが分かる。
山間から見る自分が生活をしていた町並みが、あんなに小さく見えるではないか。
山また山の、あの向こう側には何があるのだろう…。
フッと自分が無くなってしまった様に思え、山の向こうに行ってみたい衝動に駆られる。
3時、定刻にばぁちゃんが帰って来た。
またいつもと同じ毎日が待っている。
だけど山の精気に当たって来た私は、エネルギー満タンで
まだまだ頑張れる力をもらって来たようだ。
今日で私のゴールデンウィークは終わった…。