'80年代初めに登場した「貸しレコード屋」は、当時4誌あった「FM誌」と共に、私の音楽的見聞を広げてくれるのに大いに役立った。ちなみに、小学生時代の主な音楽ソースは「ザ・ベストテン」やミスターデーブマンの「ベストテン北海道」であり、シングルレコード中心だったが、中学生になると、やはりアルバム中心の音楽生活となるものだ。
この当時の私は「週刊FM」のオリコンアルバムチャートを参考に借りるレコードを物色していたものだ。私が着目していたのは「何週に渡ってトップ50チャート入りしているか」という点だった。なけなしのこづかいをはたいて借りるレコードだけに、駄作を借りてしまうことは許されない。「ロングセラーアルバムならばまず失敗はないだろう」と考えていたのだ。そして、'81年に発表された大滝詠一のこのアルバムは、18ヶ月間にわたりチャート入りを続けていたのだった。
そして、私はこのアルバムのほとばしるナイアガラ・サウンドに圧倒された。今聴いてもなお新鮮である。もう4半世紀近くが経過したというのに!あくまで私見だが、当時発表された吉田拓郎の「サマーピープル」という曲のアレンジは、このサウンドにモロに影響を受けていると考えられる。
この次に出た'84年の「EACH TIME」もまた名盤であった。私は20世紀中に大滝詠一はあと1枚くらいアルバムを発表してくれると思っていたのだが、もう21世紀も5年が経過してしまった。私の定年までに、彼がフルアルバムを発表してくれることを願ってやまない。
・・・「幸せな結末」=「はっぴいえんど」だったのね。今日、知ったのでした。