'70年代後半のスーパーカー・ブームを憶えているだろうか。このブームの火付け役が、池沢さとし氏だったのかどうかは謎だが、私もあの時代、スーパーカー消しゴムというものを、ザクザク持っていたものだ。残念ながら、その消しゴム達は我が家に現存しないが、「ザ・スーパーカー(カード式)」というモノを発掘したので、一部ご紹介しよう。
ランボルギーニ・カウンタックLP400(イタリア)
全長×全幅×全高 4,010mm×1,870mm×1,070mm
ホイールベース 2,450mm
最小回転半径 5.6m
車両重量 1,320kg
形式・排気量 V型12気筒 3,929cc
最高出力 375HP/8,000rpm
最大トルク 36.8kg-m/5,500rpm
あの当時、スーパーカーの代名詞的存在が、このカウンタックだった。ちなみに、イタリア本国では「クーンタッシ」と発音されているらしい。スペックをみると、このクルマが意外に短いことに気付く。マツダ・ロードスターとほとんど同じ全長で、幅が15cm広く、背は17cm低い。数回このクルマが走っているのを見たことがあるが、まさに地を這うゴキブリみたいで、度肝を抜かれたものだ。
フェラーリ・512BB(イタリア)
全長×全幅×全高 4,400mm×1,800mm×1,120mm
ホイールベース 2,500mm
最小回転半径 不明
車両重量 1,400kg
形式・排気量 水平対向12気筒 4,942cc
最高出力 360HP/6,800rpm
最大トルク 不明
カウンタックと双璧だったのが、512BB(ベルリネッタ・ボクサー)だった。ベルリネッタとは2シーターの意で、ボクサーは言わずと知れた水平対向エンジンのことを指すのだそうだ。
ランボルギーニ・イオタ(イタリア)
スペックは全て不明
私が小学校高学年だったあの当時、一番好きだったスーパーカーがコレだった。「ミウラ」をベースに作られたこのクルマの生産台数は1台だったとか、4台だったとか、色々説があり、真相は謎である。ちなみに、ミウラのスペックは全長×全幅×全高=4,390mm×1,780mm×1,100mm、車両重量1,250kg、エンジン形式・排気量 V型12気筒 3,929cc、最高出力 370HP/7,700rpm、最大トルク 39.8kg-m/5,000rpmだったそうな。おそらくは、イオタもこれに準ずると予測できる。ランボルギーニ・ミウラといえば、平目セリカを思い出すのは、きっと私だけではないだろう。
フェラーリ・308GTB(イタリア)
全長×全幅×全高 4,230mm×1,720mm×1,120mm
ホイールベース 2,340mm
最小回転半径 不明
車両重量 1,090kg
形式・排気量 V型8気筒 2,926cc
最高出力 255HP/7,700rpm
最大トルク 30.0kg-m/5,000rpm
フェラーリでは、このクルマが最も美しいのではなかろうか。512BBよりも、そこはかとないエレガンスを感じさせて、私はこっちの方が好きだ。大きさは意外に小さく、幅があと2cm狭ければ、5ナンバーサイズに収まってしまうのだ。
BMW・633CSi(当時は西ドイツ)
全長×全幅×全高 4,755mm×1,725mm×1,365mm
ホイールベース 2,626mm
最小回転半径 5.6m
車両重量 1,470kg
形式・排気量 直列6気筒 3,210cc
最高出力 200HP/5,500rpm
最大トルク 29.0kg-m/4,250rpm
このクルマをスーパーカーと呼ぶのにはやや異論があるが、このクーペはやはり美しい。今、国産車・外国車を問わず、このような流麗なクーペが絶滅しつつあるのは淋しいことだ。現行6シリーズも、プジョー407クーペも、なにか大味な感じでいただけない(406クーペは美しかった・・・)。
サイドウインドウのグラフィックスは国産車のデザインにも影響を与えていて、2代目プレリュードなんかがその代表例であろう。私が好きだった坂口良子サンの'82年当時の愛車は、ワインレッドのこのBMW6シリーズだったのだよ。そしてこれは、今でも勇気と決断力さえあれば、手に入れることの可能なクルマでもある。
ロータス・エリート(イギリス)
全長×全幅×全高 4,457mm×1,816mm×1,201mm
ホイールベース 2,481mm
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,060kg
形式・排気量 直列4気筒 1,973cc
最高出力 160HP/6,200rpm
最大トルク 19.4kg-m/4,900rpm
私が久しぶりに、この「スーパーカーカード」を眺めていて、最も気に入ったクルマがこれだ。当時はこんなカタチのクルマにはまったく興味がなかったのだが、それから30年近くの歳月を経て、ようやくこのクルマのカッコよさに気が付いた。思えば、アコード・エアロデッキも秀逸だったなぁ。いつの日かホンダから、ああいうエキセントリックなクルマがまた出てくることを、祈りたい私である。