さて、7月29日の日曜日。スケジュールが合致した我々取材班3名は、投票を終えた後、恒例の「ど素人クルマ試乗会」を敢行した。
まずは、日産の英国逆輸入クロスオーバーSUV「デュアリス」に乗ってみた。グレードは「20G FOUR」(車両本体価格243万750円)である。
近年のクルマらしく、静粛性は文句なし。CVTのフィールも悪くない。視界も良好で、札幌の街中を走る分には1780mmの全幅も、特に神経質になることも無い。
近年流行の「スタイリッシュガラスルーフ」は、運転席においてはほとんど恩恵を感じることは無いが、後席からの眺めはバツグンで、開放感があってヨロシイ。後席に子供を座らせたら、大喜びすること請け合いであろう。
いいクルマだったが、「デュアリスならではの世界の構築」という点では、やや弱いような気がしたのもまた事実。たとえば、「エスクード」や「ハリアー」は、いい悪いは別にして、それなりにそのクルマの世界を持っているような気がする。だが、デュアリスはなにか発するオーラが希薄なような気がしてならないのだ。
お次は、トヨタの「ブレッド&バターカー(ご飯と味噌汁カー?)」たる「アリオン」の「A18」(車両本体価格190万4700円)に乗ってみた。
粛々と何の不満も無く走るこのクルマ。フロントのパワーウィンドウ周辺のデザインは、なかなか凝っていて悪くない。ただし、インパネ全体に貼られた木目調パネルは、いかにもフェイクっぽく、ちょっといただけないが。
短時間の試乗だっただけに、正直言って、私にはカローラとの違いがイマイチよく分からなかった。先代から引き続き採用された装備である「分割可倒できるリヤシート」は日常便利なシーンも多々あるのだろうが、今やカローラでもその機能は選択可能だし、トヨタの5ナンバーセダンは、もはやカローラだけで充分なのではないかと私は思う。ま、短時間の試乗なので断言はできませんが・・・それにしても、カローラとプレミオ/アリオンを両方、かなりの数を売り分けるトヨタの販売網には、もう脱帽である。
そして、「デミオ」の「1.3C-V」(車両本体価格131万円)。
黒のパイピングが小粋な「カームホワイト」のシート地は、明るくて質感があってイイ感じ。だが、タコメーターが省略されたこのグレードのメーターパネルは、やや淋しい。ま、CVTだから、タコメーターは必要無いといえば無いのだが、タコメーターがあったハズの部分のメーターパネルの空白は、チープな感じが否めない。また、燃料計が確認しづらいのも気になったことである。
乗ると、マツダのクルマらしく、小気味良くスイスイと走り、ココは好印象。すぐ前に乗ったアリオンと比べると、静粛性は大幅に劣るが、クルマの価格とキャラクターから考えると、ま、しょうがないですネ。
かなり私好みのフィールのクルマで、とても気に入ったのだが、一番気になるのは、「はたしてこのクルマがデミオを名乗ることが正しかったのかどうか?」である。かつてのデミオというクルマの荷室の使い勝手は、相当に優秀なモノだった。だが、新型デミオのリヤシートはダブルフォールディングではなく、倒すと大きな段差が残る。旧型よりも大幅に軽量化したとはいえ、全長で4cm・全高で5.5cmダウンサイジングした新型は、もう別なクルマといってもいいのかもしれない。
あくまで私見だが、旧型デミオはそのまま継続販売し、新型デミオには別のブランドネームを与えて、ブランニューモデルとして販売した方が良かったのではなかろうか。新型になって失ったモノも大きいような気がする。
ま、以上の意見は、あくまで素人ドライバーの私個人が感じたことなので、皆さん、あまり鵜呑みにしないでくださいネ。大切なのは、自分で乗って、どう感じるかということなのです。やはり、クルマは、自分で乗ってみて、自分なりに判断しましょう。それでいいのです。